最初に海へ行った日、持っていたのはアジングの一式だけだった。
動画で見たとおりに投げれば、同じように釣れると思っていた。
結果から言うと、その日にアジは一匹も出なかった。
そこから磯へ通い、装備を増やし、また堤防へ戻ってきた。
今の釣り方は、その行ったり来たりの後に残ったものだ。
最初の一匹は、狙っていた魚ではなかった

その日は海釣り公園に10時頃に入った。
ジグヘッドを結んで、投げて、巻いて、また投げた。
神奈川の陸っぱりでアジをルアーだけで狙うのがどれくらい難しいか、その時は分かっていなかった。
反応がないまま時間が過ぎて、場所を磯へ移した。
釣り方もルアーからイソメの投げ釣りに変えた。
そこで釣れたのがフグとベラだった。
狙っていた魚ではないし、腕が上がったわけでもない。同じ日の、同じ人間が投げている。
変わったのは、場所と釣り方だけだった。
ここから、竿を選ぶより先に何の釣りをするかを決めるようになった。
足元の小魚を狙うならサビキ。
砂地の底を探るならちょい投げ。
ルアーなら、その魚が岸から届く場所にいるかどうかまで含めて決める。
釣りが決まると、持っていく道具も行く場所も自然に絞れた。
磯へ通って、堤防へ戻ってきた

釣れなかった後に選んだのは、もっと難しい方だった。
磯竿とスパイクを買って、足場の悪い場所まで歩いた。
頭にあったのはアカハタで、実際に掛かってきたのはウツボや小型の魚だった。
装備は重く、着く前と帰る時で体力を使い切る。
磯へ行く回数は、そこから減っていった。
代わりに通うようになったのが、東京湾の海釣り公園や堤防、海釣り施設だった。
アジ、イワシ、サバ、キス、イシモチ、カマス。
持ち帰って食べられる魚に会う機会が、はっきり増えた。
道具を買い替えた時より、行く場所を変えた時の方が結果が大きく動いたことが、その後も何度もあった。
足場、混雑、使える仕掛け、魚が動く時間は、堤防、施設、サーフ、磯で同じではない。
人が多い場所では、釣り人同士がぶつかっている場面も実際に見た。
今は場所を先に決めて、そこでできる釣りへ戻す形にしている。
堤防に残ったのは、サビキとちょい投げだった

堤防では、サビキとちょい投げを同じ日に組み合わせている。
サビキで足元から少し先を泳ぐアジ、イワシ、小サバを待つ。
その間に、ちょい投げでもう少し先の底へ仕掛けを入れてキスやハゼを探す。
立つ場所は変えないまま、足元と底を分けて試せる。
最初に掛かるのがネンブツダイやベラという日も多い。
それを失敗だとは思っていない。そこに何がいるかが分かった状態から、次を決められる。
全部の釣りを車に積むより、この二つに絞った方が、仕掛けが水に入っている時間は長くなった。
竿とリールは、釣りが決まってから決めた

最初から高いロッドをそろえたわけではない。
サビキとちょい投げなら、3m前後の振り出し竿とリールが一本あれば両方を試せた。
竿を分けたのは、投げる距離と扱うオモリの重さが変わってからだった。
仕掛けは、切れた時に覚えた

サビキもちょい投げも、市販の仕掛けから始めた。
針の号数、道糸とハリス、幹糸と枝ス、サルカン、スナップ。
どれも意味が分からないまま、パッケージのとおりに使っていた。
覚えたのは、根掛かりで切れた時と、その場で結び直す必要が出た時だった。
結び方はパロマーノットを一つ覚えて、今もそれで足りている。
市販の仕掛けで済む部分は、そのまま使っている。
持ち物は、困った順に増えた

竿とリールだけでは、魚が釣れた時点で足りなくなった。
針を外すプライヤー。魚をつかむフィッシュグリップ。餌と手を洗う水。濡れた物を入れる袋。バケツ。
どれも一覧を見てそろえたのではなく、無くて困った日があって後から入った。
逆に、便利そうで買って一度も袋から出さなかった物は、持って行かなくなった。
夏に足りなくなったのは、服ではなく飲み物だった

同じ堤防でも、夏と冬では持っていく物が変わる。
夏は日差しと暑さ、冬は気温よりも海から吹く風で体が冷える。
ただ、服装より先に足りなくなったのは飲み物だった。
夏に量を見誤って、熱中症に近い状態になったことが二度ある。
二度目の後から、時間で計算して持つようになった。
1時間あたり500ml前後を下限にして、2時間なら1〜1.5L、3時間なら1.5〜2L、半日なら3L前後。
車で行く日は、それとは別にクーラーへ氷と冷たい飲み物を入れて、戻ってから飲む分を残している。
汗が多い日は水だけにせず、スポーツドリンクも混ぜる。
これは医学的な必要量ではなく、自分が途中で切らさないための目安だ。
手袋も全部の釣りでは使わず、投げる釣りと寒い時期だけ出している。
帰れるかどうかを、釣れるかより先に決めている

魚が釣れそうな時ほど、やめる判断は遅れる。
それでも、帰れない状況なら続けない。
自分の判断で一番上に置いているのは「帰れるか」だ。
風が強くなると、まず仕掛けがまっすぐ入らなくなる。
4〜5mで扱いにくくなり、6〜7mで片付けを考える。
堤防では風速7m前後を撤収の目安にしているが、これは公的な基準ではなく、自分の釣行で決めた線だ。
波が上がれば、足場も戻る道も変わる。
雨や暗さが重なると、昼に見えていた場所が同じようには見えない。
堤防でもライフジャケットは着ている。
磯やSUPでは、釣れるかどうかより、今いる場所から戻れる状態が残っているかを先に確かめている。
ボウズの日に、思い出す順番が変わった

釣れない時、手が動くのはまずタックルボックスの方だった。
色を替え、形を替え、仕掛けを替える。
ただ、実際に魚が出たのは、同じ日の途中で場所と釣り方を変えた時だった。
今はボウズだった日に、場所、時間、釣り方、どこまで探ったかを先に思い出す。
魚が岸から届かない所にいれば、手元で何を替えても結果は変わらない。
そして釣れた後には、その魚を触っていいかどうかが残る。
分からない魚は素手でつかまない。
フグのように危険がある魚は、素人は絶対食べてはいけない。
投げる釣りに戻ったら、ショアジギングになっていた

餌釣りで魚に会えるようになっても、ルアーを投げる釣りはやめなかった。
西湘サーフでは、朝まずめにメタルジグを投げる。
明るくなってくると、手前のブレイクやベイトの位置が見えてくる。
小サバ、小カマス、イワシが見える日は、その周りを重点的に通す。
続けて分かったのは、ジグの重さや色より、魚が岸から届く範囲に入っているかどうかで結果が変わることだった。
投げる釣りの入口としては、メタルジグ一本よりジグサビキの方が掛かる魚種は広かった。
魚が釣れると、帰るまでの時間が増えた

食べられる魚が釣れるようになって、次に残ったのは持ち帰り方だった。
クーラーは、飲み物を冷やす物から魚を入れる物に変わった。
氷や保冷剤を入れ、魚と他の荷物が触れないように魚用の袋を使う。
釣っている時間だけを考えていた頃には、この準備は無かった。
洗って戻すまでが、一回の釣りになった

道具が少ない頃は、バッグとクーラーだけで収まっていた。
釣り方が増えてからはタックルボックスを使い、濡れ物や予備はバッカンへ分け、車へ置いたままにする物も決めた。
帰った後は、海で使ったリール、ロッド、ルアー、金具、サビキ道具から塩と餌の汚れを落として乾かす。
次に持ち出せる状態へ戻るまでが、一回の釣りになった。
最初から全部を覚えて始めたわけではない。
釣れなければ場所を変えた。足りない物は次に足した。
使わない物は減らした。危ないと思った日はやめた。
その繰り返しで、今の釣り方と道具が残っている。
サビキ釣りの始め方まとめはこちら👇

素人だけど、検証して道具は選ぶ。
