クーラーボックスで「真空断熱」と書かれていても、中の構造まで同じとは限らない。
釣り用クーラーで使われる真空断熱パネル(VIP)と、Peacock IGN-100のような真空二重構造は、どちらも真空を使って熱の移動を抑えている。
違うのは、どこに真空を作っているかだ。
VIPは真空にした断熱パネルをクーラーの壁へ組み込む。
真空二重構造は、容器の内側と外側の間そのものに真空層を作る。
VIPは「断熱材」、真空二重構造は「容器の構造」
| 違い | 真空断熱パネル(VIP) | 真空二重構造 |
|---|---|---|
| 何を真空にするか | 独立した断熱パネル | 内側容器と外側容器の間 |
| 位置づけ | 断熱材 | 容器そのものの構造 |
| 使い方 | 底面・側面などへ組み込む | 本体の壁を二重にして真空層を作る |
| 他の断熱材 | ウレタンやEPSと組み合わせることがある | フタなどに別の断熱材を使うことがある |
どちらも真空断熱だが、同じ構造ではない。
真空断熱パネル(VIP)は真空にした薄い断熱板を組み込む

VIPはVacuum Insulation Panelの略で、内部を真空に近い状態にした断熱パネルだ。
多孔質の芯材をフィルムで包み、内部の気体を減らすことで熱の移動を大きく抑える。
釣り用クーラーでは、このパネルを底や側面へ入れて使う。
- 底1面だけにVIPを入れる
- 側面まで含めて3面・5面へ増やす
- VIPがない部分は発泡ウレタンなどで断熱する
同じ「真空パネル採用」でも、何面に入っているかで構造は変わる。
自分が真夏の長時間の釣りで使っているDAIWA クールラインα III VS1000Xも、5面の真空パネルとウレタンを組み合わせた構造だ。
真空パネルだけで箱を作るのではなく、発泡系の断熱材と組み合わせながら必要な面の断熱性能を上げている。
真空二重構造は容器の壁そのものに真空層を作る

手持ちのPeacock IGN-100は、真空二重構造を採用している例だが、VIPのように板を側面へ入れる方式ではない。
ステンレス製の内側容器と外側容器を二重にし、その間に真空層を作っている。
魔法瓶で使われている真空二重構造を、9.5Lの大きな容器へ使った形だ。
ただし、IGN-100全体が真空で囲まれているわけではない。
本体は真空二重構造だが、フタはポリウレタンで断熱している。
ここはVIPと同じで、「真空」という言葉だけでは完成品全体の構造までは分からない。
同じ真空でも熱を止める場所が違う
違うのは、その真空層を作る方法だ。
VIPでは、独立した高断熱のパネルをクーラーの壁へ配置する。
真空二重構造では、容器の内壁と外壁の間そのものが連続した真空層になる。
VIPが断熱材を配置する構造なら、真空二重構造は容器の壁自体を真空断熱にする構造だ。
真空二重構造とVIPは、強みが出る場所が違う
真空二重構造の強みは、容器の壁そのものへ広い真空層を作れることだ。
側面を一枚ずつ断熱するVIPとは違い、内側容器と外側容器の間を連続した真空層で囲える。
一方、VIPは断熱材そのものの性能が高い。
底1面だけでなく、3面、5面と配置する場所を増やせば、クーラーの広い範囲を高性能な真空パネルで断熱できる。
つまり、真空二重構造は広い面を連続した真空層にできる。
VIPは高い断熱性能を持つパネルを必要な面へ配置できる。
ただし、真空二重構造だから完成品の保冷力まで必ずVIPより上になるわけではない。
実際、IGN-100も本体は真空二重構造だが、フタはポリウレタン断熱だ。
VIPを使ったクーラーも、真空パネルの面数や発泡ウレタンとの組み合わせで構造が変わる。
だから自分は、「真空二重」「VIP」という名前ではなく、完成したクーラーのどこまで真空断熱が使われているかで比較している。
ただ、Peacock IGN-100の保冷力は実際にかなり高かった

構造だけでVIPより上とは言えないが、自分が使っているPeacock IGN-100そのものはかなり保冷力が高い。
容量は9.5Lで、本体重量は約4.7kgだ。
手持ちのクーラーを同じ条件で12時間比較した時は、庫内温度が約9℃で、500mlのペットボトル氷が約95%残った。
保冷力は高い。
その代わり、自分が釣りで持ち歩いている10LのVS1000X(VIP構造)が2.6kgなのに対して、IGN-100は約4.7kgある。
この重さの差があるぶん、自分は保冷力を求める場面でも用途で使い分けている。
IGN-100は車をベースに使い、真夏の釣りやSUPで持って動く時はVS1000Xを使っている。
VIPと真空二重構造の違いを並べるとこうなる
| 項目 | 真空断熱パネル(VIP) | 真空二重構造 |
|---|---|---|
| 真空を作る場所 | 断熱パネル内部 | 内側容器と外側容器の間 |
| 位置づけ | 断熱材 | 容器構造 |
| クーラーへの使い方 | 底・側面など必要な面へ配置 | 本体の壁そのものを二重構造にする |
| 他素材との組み合わせ | 発泡ウレタンやEPSなどと併用できる | IGN-100ではフタにポリウレタンを使用 |
| 代表例 | DAIWAなどの真空パネル採用クーラー | Peacock IGN-100 |
「真空」という名前だけでは構造は分からない
真空断熱パネルと真空二重構造は、どちらも真空によって熱の移動を抑える点は同じだ。
ただし、その作り方は違う。
VIPは真空を使った断熱材。
真空二重構造は真空層を持つ容器構造。
商品説明に「真空」と書かれていても、それだけで同じ構造とは判断できない。
VIPなら何面に入っているのか。
真空二重構造なら本体のどこまでが真空なのかをチェックして選ぶのがおすすめだ。
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素人だけど、検証して道具は選ぶ。
