スピニングリールのベールが戻らない原因には、塩分や砂による固着、ベールの変形、内部のバネや戻し機構の不具合などがある。
ただし、ハンドルを回してもベールが閉じないからといって、故障とは限らない。もともと手で戻す仕様のリールもある。
まずはベールが手で正常に開閉できるかを確認する。手では戻るのにハンドル操作では戻らない場合と、手でも引っ掛かる場合では、確認する場所が変わる。
ベールが戻らない時に最初に確認すること
ハンドルを回しても戻らない場合
スピニングリールには、ハンドルを回すとベールが自動で閉じる機種と、手で閉じる機種がある。
手で閉じる方式は「マニュアルリターン」と呼ばれる。大型のSWリールや投げ釣り用リールなどで採用されている。
例えば、ダイワのセルテートSWやウインドキャストには、マニュアルリターン仕様のモデルがある。
このタイプはハンドルを回してもベールが戻らないのが正常だ。キャスト中にベールが不意に閉じるのを防ぐ目的がある。
一方、以前はハンドルを回せば閉じていたのに、突然戻らなくなった場合は、自動復帰機構の不具合が考えられる。
手で戻しても引っ掛かる場合
ベールを手でゆっくり開閉した時に、途中で引っ掛かったり、動きが重くなったりする場合は、可動部の状態が気になる。
塩分や砂が固まっていることもあれば、バネやベール本体に問題が出ていることもある。
以前より明らかに動きが悪くなったなら、まずはベールの付け根を見てみると原因を探りやすい。
ベールの戻りが悪くなる主な原因
塩分や砂が可動部にたまっている
海釣りでは、ベールの付け根にも海水が付着する。そこへ砂や汚れが入り込むと、開閉部分の動きが悪くなることがある。
実際にダイワの修理部門SLPでは、ベールの戻りが悪くなった14エメラルダスを分解したところ、作動部分に塩分や砂がたまっていた事例を紹介している。
このリールは内部の洗浄によってベールの戻りが改善している。
海釣りを繰り返しているうちに徐々に動きが重くなった場合は、こうした塩噛みも原因候補になる。
ベールが曲がっている
ベールは細いアーム状の部品なので、落下や衝撃によって曲がることがある。
わずかなへこみでも全体の形が変わり、開閉時に引っ掛かったり、閉じた位置がずれたりする場合がある。
SLPの18イグジストの修理事例でも、小さなへこみによってベール全体が変形していたケースが紹介されている。
見た目以上に形が変わっている場合は、ベール本体の交換が必要になることもある。
バネや自動復帰機構の不具合
ベールの付け根には、開閉を支えるバネやレバーなどが組み込まれている。
バネが折れたり外れたりすると、開閉時の反発が弱くなったり、途中で止まったりすることがある。
また、ハンドル操作でベールが戻る機種では、自動復帰させる部品が摩耗・破損する場合もある。
手では問題なく開閉できるのに、ハンドルを回しても戻らなくなった場合は、この自動復帰機構も確認する部分になる。
ベールが戻らない時に試せる対処
付け根の汚れを落とす
ベールの付け根に塩分や砂が見えるなら、まずは外側の汚れを落としてみる。
水洗いできるリールなら、真水で塩分を流し、細かな部分は柔らかいブラシなどで清掃できる。
洗浄後は水気を切って乾燥させる。軽い塩噛みなら、これで動きが改善する場合もある。
海釣り後のリールの洗い方はこちら👇

可動部の注油で改善することもある
ベールの開閉部分には、オイルやグリスを使う箇所もある。
例えばダイワでは、ベールの付け根にリールガードグリスを使うメンテナンス方法が案内されている。
汚れを落としてから少量の潤滑剤を使い、開閉が滑らかになる場合もある。
ただ、折れたバネや曲がったベールは注油では直らない。洗浄しても同じ場所で引っ掛かるなら、部品そのものに問題があるかもしれない。
リールのオイルとグリスの違い、普段の使い分けはこちら👇

洗浄しても直らない場合は修理・交換を考える
洗浄や注油でも開閉不良が改善しない場合は、内部のバネやレバー、ベール本体の修理が必要になることがある。
バネなどの小さな部品だけなら交換で済む場合もあるが、ベール全体が変形していればアームごとの交換になることもある。
修理を頼む時は、手では閉じられるのか、ハンドルを回した時だけ戻らないのか、どの位置で引っ掛かるのかを伝えると症状が分かりやすい。
低価格帯のリールなら、修理費用と新品の実売価格を比べるのも一つの方法だ。本体の状態が良く、長く使いたいリールなら、ベール周辺だけ修理する選択もある。
ハンドルで戻らないだけなら、まずは仕様を確認する。手でも引っ掛かるなら、汚れや部品の状態を見る。この違いが分かるだけでも、故障かどうか判断しやすくなる。
素人だけど、検証して道具は選ぶ。
