クーラーボックスは、見た目や容量が近くても価格がかなり違う。
最初は自分も、何が違えばそこまで値段が変わるのか分からなかった。
釣りやキャンプで使っていくと、真夏や長時間になるほど保冷力の差が見えてくる。
クーラー本体の性能を見るうえで大きいのが断熱材だ。
発泡スチロール(EPS)、発泡ウレタン(PU)、真空断熱パネル(VIP)。断熱性能はEPSよりPU、その上がVIPになる。
断熱材は外から入る熱を減らしている

クーラーボックス自体が、中を冷やしているわけではない。
中を冷やすのは氷や保冷剤で、断熱材は外から入ってくる熱を減らしている。
熱が入りにくければ、氷や保冷剤で作った低い温度も長く残る。
ここがEPS、PU、VIPで変わる。
実際の保冷時間には断熱材の厚み、フタの構造、容量、氷の量、外気温も関わるが、断熱材を見ればクーラー本体の保冷性能がどの位置にあるのかは読みやすくなる。
発泡スチロール(EPS)|軽量クーラーでよく使われる

EPSはExpanded Polystyrene、発泡ポリスチレンのことだ。
軽量なクーラーボックスや、価格を抑えたモデルでよく使われている。
- 軽いモデルを作りやすい
- 価格を抑えやすい
- PUやVIPより断熱性能は低い
短時間の釣りやデイキャンプでは、この軽さがそのまま利点になる。
一方で、真夏や長時間まで同じ保冷力を求めると、さらに熱を通しにくい断熱材との差が出てくる。
発泡ウレタン(PU)|EPSより熱を通しにくい

PUはポリウレタン。
発泡させたウレタンの内部に細かな気泡を作り、熱が伝わるのを抑える。
断熱性能はEPSより高く、保冷性能を上げたクーラーボックスで使われている。
ここで大事なのは、PSとPUを同じものとして見ないことだ。
EPSは発泡ポリスチレン。PUは発泡ウレタンで、別の断熱材になる。
EPSからPUへ変わると、クーラーボックスは同じ発泡系でも一段高い断熱性能を狙える。
実際のクーラーは断熱材を組み合わせていることもある
ここまでEPS、PUと分けてきたが、製品は必ず一種類の断熱材だけで作られているわけではない。
発泡材を基本にして、一部へ真空断熱パネルを追加したクーラーもある。
例えば手持ちのSHIMANO フリーガ ベイシス200は、発泡ポリスチレンに底1面の真空パネルを組み合わせた構造だ。

真空パネルを使っているからといって、全面がVIPとは限らない。
底1面、3面、5面というように、真空パネルを入れる場所と枚数も製品ごとに違う。
クーラーの断熱構造を見る時は、「真空」という言葉だけでなく、発泡材との組み合わせまで確認すると違いが分かる。
真空断熱パネル(VIP)|断熱性能は3つの中で一番高い

VIPはVacuum Insulation Panel、真空断熱パネルのことだ。
パネル内部を真空に近い状態にすることで、内部の気体を介した熱の移動を大きく減らしている。
発泡スチロールや発泡ウレタンより高い断熱性能を出せるのがVIPの強みだ。
断熱性能だけを見るなら、EPS、PU、VIPの中でVIPが一番上になる。
自分が真夏の長時間の釣りで使っているDAIWA クールラインα III VS1000Xも、5面真空パネルとウレタンを組み合わせたモデルだ。
真夏の13時から使い始め、21時に帰宅した時でも500mlのペットボトル氷が7割ほど残っていた。
以前使っていた軽量クーラーでは、真夏に6時間ほど使うと氷がほぼ溶けていた。
容量も構造も違う製品なので、これだけでVIPと他素材の性能差を測ることはできない。
ただ、自分が真夏の長時間まで使うようになってから、断熱性能を上げる意味ははっきりした。
保冷力の高いDAIWA クールラインα III VS1000Xの記事はこちら👇

EPS・PU・VIPは断熱性能の位置が違う
| 断熱材 | 断熱性能 | 構造 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| EPS | 3つの中では低い | 発泡ポリスチレン | 軽量モデルや価格を抑えたモデルで使われる |
| PU | EPSより高い | 発泡ウレタン | EPSより熱を通しにくい |
| VIP | 最も高い | 真空断熱パネル | 発泡材と組み合わせて使われることも多い |
この3つは同じ位置にある素材ではない。
保冷性能はEPSよりPU、その上がVIP。
まずこの順番を押さえると、クーラーボックスの商品説明がかなり読みやすくなる。
素材だけで「何時間冷える」とは決められない
断熱性能の順番ははっきりしているが、EPSなら半日、PUなら1日、VIPなら2日という決め方はできない。
同じ断熱材でも、厚み、使われている面、容量、フタの構造でクーラー本体の保冷性能は変わる。
さらに実際の氷の残り方は、氷や保冷剤の量、外気温、フタの開閉でも変わる。
だから素材を見る時は、固定された保冷時間ではなく、まずEPSよりPU、さらにVIPという断熱性能の位置を見る。
そこから実際の製品で、断熱材の厚みや組み合わせ、真空パネルの面数まで確認すればいい。
クーラーを長時間冷やすコツまとめはこちら👇

素人だけど、検証して道具は選ぶ。
