SUP釣りを始めた当初、僕は「風3m」「波1m」という基準を“なんとなくの目安”として扱っていました。
でも実際に海も浮かび、冷や汗をかき、救われてきた経験から言えるのは、この基準は「安全の最低ライン」であって、守れば安全になる魔法ではないということです。
この記事では、、SUPという乗り物そのものの性質から導かれる“普遍的な安全ライン”として、風3m・波1mの意味を一次体験ベースで解説します。
この理解があるだけで、不安・恐怖・焦りが消え、釣果や楽しさに直結します。
なぜSUPは“風3m・波1m”が境界線になるのか?
SUPはボードの幅が広く安定している一方で、船より風の影響を強烈に受ける乗り物です。
その結果、風3m・波1mというラインが実質的な境界線になります。
理由はシンプルで、次の3つに集約できます。
- ① SUPは横風の影響が極端に大きい
- ② 波は“岸際ほど乱れる”という構造がある
- ③ 水深の浅いエリアは特に不安定になりやすい
これらは全国の海で共通して起きる現象です。
風3mは“初心者でも制御できる限界”
SUP釣りで最も危険なのは、風に流されて帰れなくなることです。
特に危険なのは、岸から海へ向かうオフショア(陸→海)の風。
風が強くなりすぎると帰還困難になり、最悪漂流します。
SUPは船と違い、横風が体感以上に効く構造になっています。
風3mの世界は“漕げば前に進む”
経験上:
風2m → 抵抗はありながも確実に前へ
風3m → 頑張れば進む
風4m → 心が折れるほど進まず危険を知る
初心者が扱えるのは3mまでです。それ以上は一気に危険ゾーンへ入ります。
波1mの裏にある“岸際の罠”
多くの初心者が誤解しています。
危ないのは沖ではなく、岸際です。
理由は単純で、岸には見えない“返し波”や“乱れた波”が多く、SUPの安定性を奪います。
岸は“常に揺れ・跳ね返り・巻き返す”
同じ1mでも、岸際は波が重なりやすく、突然の大きい揺れが来ることもあります。
僕もルアー結び(スナップ接続)を岸でやっていて波の揺れで針が手に刺さった経験があり、それ以来ルアーの結び替えは必ず沖にある程度出てからやっています。
SUPは“沖のほうが安全”という逆説
意外かもしれませんが、多くの海で共通しているのが、
沖のほうが波が素直で安定する
という事実です。
岸は、
- 反射波が重なる
- 複雑に乱れる
- 浅場で波形が変化する
といった理由で、落水リスクが高まります。
沖では波の周期が読みやすく、SUPが安定しやすい構造になっています。
風3m・波1mでも危険になる「4つのパターン」
基準内でも油断できない状況があります。
- ① 風向きが急に変わる(岸→沖)
- ② 風が数分で風速3m→5mに跳ね上がる
- ③ 岸際だけ高い段差波が立つ
- ④近くを船が通ったの引き波が重なると大きな波になる
SUPは風と波の変化に敏感なので、出艇前だけでなく、常に観察し続けることが必要です。
船の引き波に対しては必ず波に向かって正面を向けて乗り越えるように癖づけます。横で受けると転覆の危険あり。
準備の質が安全に直結する
SUP釣りは、準備が整っているほど安全になります。
特に効果が大きかったのが、準備ルーティンです。
- SUPを膨らませながら小物の準備を並行する
- 積載は毎回“同じ位置”に固定する
- パドル・フィン・空気圧のチェックをルーティン化
- ルアーの結束は岸ではなく、沖の安定した場所で行う
準備が整っているだけで焦りが消え、落水リスクが激減します。
初心者ほど“装備を減らす”のが安全
SUP釣りは、装備が多いほど危険になります。
理由は、落水時に引っ掛かり、動きが取れなくなるから。
僕が導いた結論はシンプルです。
荷物を減らすと、パドル操作が軽くなり、帰還能力も上がります。
“帰還ルート”を常に確保しておくこと
SUP最大のリスクは、帰れなくなること。
だから僕は必ず、
常に「戻れる道」を意識しながら進む
ことを徹底しています。
具体的には:
- 常に周りの状況を観察する
- 30分ごとに風向き・風速をチェック
- “帰りに逆風になるか”を常に考える
- ビビりなほど、周りの変化に気を配る
この4つがあるだけで、安全度は劇的に上がります。
まとめ|風3m・波1mは「守れば安全」ではなく「守ってやっとスタートライン」
SUP釣りは最高に楽しいアクティビティですが、風と波の変化に敏感な乗り物です。
風3m・波1mという基準は、
「初心者が制御しやすいライン」
「帰れなくならない最低ライン」
という意味を持っています。
この記事で紹介した“普遍的なSUPの危険構造”を理解しておくと、
・焦らない
・無理しない
・判断できる
これらが揃い、安全と釣果が両立してきます。
素人だけけど、検証して道具は選ぶ。
