SUP釣りは自由で、海の上にひとり浮かんでいる感覚は何度味わっても特別なもの。
ただその裏側には、風・波・潮といった “見えない条件” が常に動き続けていて、そこを理解しないまま出艇すると、一瞬で危険に傾いてしまうことがある。
僕自身、SUP釣りを始めた頃は知識ゼロで、風向きの反転に気づかず帰れなくなりかけたり、岸際でルアーを替えようとして針が刺さりかけたり、落水してパドルが流れかけたりと、今思うとゾッとする体験をいくつもしてきた。
そんな一次体験をベースに、ここでは出艇前から帰還までの「SUP釣りの安全判断」を整理しておく。
これを知っているだけで、事故リスクは大きく下がり、安心して釣りに集中できるようになる。
なぜSUP釣りは「安全知識」が最重要なのか?
SUPという乗り物は、前後方向には強いけれど “横揺れと風” に極端に弱い構造をしている。これが初心者が事故に近づく最大の理由。
危険の元になる要素をシンプルに挙げるなら、この3つ。
- 横からの波に弱い
- 風向きの変化に強く影響を受ける
- 岸際は揺れが乱れやすい
この構造を理解しているだけで、危険度は半分以下になる。
出艇前に“絶対チェックする項目”

SUP釣りの安全は、出艇前の判断で7割決まる。僕が必ず見ている項目はこれ。
- 風速(3m以下か)
- 風向き(帰る方向に漕ぎやすいか)
- 波の周期(3秒未満は危険)
- 波向き(横波にならないか)
- 潮位(干潮の浅場を通らないか)
- 干満のタイミング(潮が動くか)
- 視界(霧・雨で岸が見えなくならないか)
- 船の通り道が近くないか
- 装備チェック(ライジャケ・リーシュ・スマホ)
このセットが身につくと、「今日は行ける/行けない」が自然に掴めるようになる。
海に出てからの“安全行動”チェック
海に出てからは、風・波・潮の変化をできるだけ早く拾うことが大事。
- 岸際には近づきすぎない(揺れが最も乱れる)
- 風が変わったら即帰還
- 船の引き波は必ず正面で受ける
- ルアー交換は沖の安定帯で
- 荷物は必要最小限にする
SUPは自由度が高い道具だからこそ、行動ルールを決めておくと一気に安全になる。
SUP釣りの“危険シーン”トップ5

初心者が事故に近づく場面は、ほぼこの5つに集約される。
- 風向きが急に変わる
- 横波+返し波の重なり
- 船の引き波を横向きで受ける
- 落水後に再上艇できない
- スマホ紛失で位置がわからなくなる
特に風向きの変化は本当に危ない。海は穏やかに見えても、風がひとつ変わっただけで帰還が急に難しくなる。
落水した時の正しい動き(再上艇の基本)

SUPは落ちること自体が悪いわけじゃない。重要なのは「戻れるかどうか」。
僕が何度も練習して掴んだ再上艇のコツは、たったひとつ。
体を水平にして、ボードと平行になった瞬間に腹から乗ること。
- 側面中央へ寄る
- 両手で側面を掴む
- バタ足で体を浮かせる
- 体をボードと平行にする
- 平行になった瞬間に腹で滑り込む
これを身体で理解できると、落水が一気に怖くなくなる。
安全装備の最適解(これだけは必須)

SUP釣りにおける安全装備は“保険”じゃなく“本体”。特に以下の3つは必須中の必須。
- 固形式ライフジャケット
- ボードリーシュ
- スマホ防水ケース+ロープ
初心者ほど荷物を減らした方が安全性は上がる。今でも僕は必要最小限しか積まない。
判断が難しい“危険の兆候”を知っておく

SUP釣りでは、小さな違和感が大きな危険の前触れになる。
- 波周期が急に短くなる
- 横からの小波が増える
- 風が斜めへ変化する
- 船が増える時間帯に入る
- 海面がモワっと温かくなる(風反転の予兆)
- ベイト反応が消える(潮・風の変化)
こうした変化を感じたら、迷わず安全側へ寄せてほしい。
SUP釣りの“出艇不可ライン”を明確にする
迷ったら行かない――これがSUP釣りの鉄則。出艇不可ラインを持っておくと判断がブレなくなる。
- 風速3m以上(初心者は不可)
- 横風+横波の組み合わせ
- 波周期3秒未満
- 干潮で浅場がルートを塞ぐ
- 霧・雨などの視界不良
- 湾で沖へ風が抜ける地形
このラインを守るだけで、事故リスクは驚くほど下がる。
まとめ|安全を理解した瞬間、SUP釣りはもっと自由になる

SUP釣りは、安全の仕組みを理解できた瞬間から一気に自由になる。
- 出艇前のチェックで7割決まる
- 風・波・潮の変化を常に拾う
- “必須装備”は絶対に外さない
- 危険の前兆を見逃さない
- 迷ったら行かない
海はときに厳しいけれど、正しい知識があればこちらに味方してくれる。
素人だけど、検証して道具は選ぶ。
