リールの下巻きが何m必要なのかは、スプールの容量、メインラインの号数と長さ、下巻き糸の太さによって決まる。
例えば、同じ3000番のリールでも、PE1号を150m巻く場合と200m巻く場合では、必要な下巻き量が違う。
下巻きに使うナイロンラインが2号なのか4号なのかによっても、必要な長さは変わる。
そのため、「3000番なら下巻き50m」といった決め方はできない。
下巻き量を求める方法は、大きく2つ。メーカーの計算ツールで概算する方法と、実際にラインを巻いて調整する方法だ。
下巻き量を計算する前に確認する4つの数字
下巻き量を計算するには、まず次の情報を揃える。
| 必要な情報 | 確認する内容 |
|---|---|
| リールの糸巻き容量 | PE1号300m、ナイロン2号170mなど |
| メインラインの号数 | 実際に使うPE0.8号、1号、1.5号など |
| メインラインの長さ | 150m、200mなど、実際に巻く長さ |
| 下巻き糸の種類・号数 | ナイロン2号、3号など |
糸巻き容量は、リールのスペック表やスプールの表示から確認できる。
注意したいのは、表示されている糸巻き容量が、どの種類のラインを基準にした数字なのかということだ。
PE1号300mという表示を、ナイロン1号300mと同じ容量として扱うことはできない。PEとナイロンでは号数の基準や実際の太さが異なる。
計算に使う糸巻き容量は、同じスプールについて確認する。異なるリールのスペックを組み合わせても、正しい下巻き量は求められない。
下巻き自体の役割や、必要になる条件はこちら👇
シマノの糸巻量計算ツールで下巻き量を求める
下巻き量を計算するなら、シマノ公式の糸巻量計算ツールが使える。
リールの公称糸巻き容量を基準に、実際に使うメインラインと下巻き糸の情報を入力すると、必要な下巻き量を計算できる。
- リールのスペック表にある糸の種類・号数・糸巻き容量を入力する
- 使いたいメインラインの種類と号数を入力する
- メインラインを何m巻くのか入力する
- 下巻き糸の種類と号数を入力する
これで、下巻きに必要な長さの目安が表示される。
スペック表に使いたい号数が載っていない場合でも、基準となる糸巻き容量から換算できる。
ただし、計算結果はあくまで目安だ。メーカーや製品によるラインの太さの違い、巻き取り時のテンションなどで、実際に収まる長さには差が出る。
計算ツールへの入力方法は、シマノ公式の解説動画でも確認できる。
下巻き量の計算式と具体例
同じスプールについて、メインラインと下巻き糸それぞれの満巻き容量が分かっていれば、割合から下巻き量を概算できる。
計算式は次のとおり。
下巻き量の目安=下巻き糸の満巻き容量×(1-巻きたいメインラインの長さ÷メインラインの満巻き容量)
これは、メインラインが使う容量を差し引き、残った容量を下巻き糸で埋めるという考え方だ。
なお、この式は容量の割合から求める概算であり、実際の巻き上がりを保証するものではない。
PE1号150mを巻く場合の計算例
次の条件を仮定する。
- リールの容量:PE1号300m
- 同じリールの容量:ナイロン2号170m
- 実際に巻きたいメインライン:PE1号150m
- 下巻きに使う糸:ナイロン2号
※計算方法を示すための仮定例であり、特定のリールのスペックや実測データではない。
PE1号を300m巻けるスプールに150mだけ巻くため、メインラインが使用する容量は約半分になる。
残りの容量をナイロン2号で埋める場合、計算は次のようになる。
170m×(1-150m÷300m)=85m
この条件なら、ナイロン2号を約85m下巻きする計算になる。
PE1号200mを巻くなら下巻き量は変わる
同じリールにPE1号を200m巻く場合は、メインラインが占める容量が増える。
計算すると、170m×(1-200m÷300m)で約57mだ。
同じ条件でメインラインの長さだけを変えた場合、下巻き量の目安は次のようになる。
| 巻きたいPE1号の長さ | ナイロン2号の下巻き量 |
|---|---|
| 150m | 約85m |
| 200m | 約57m |
| 250m | 約28m |
メインラインを長く巻くほど、必要な下巻き量は少なくなる。
ただし、この表をほかの3000番リールへそのまま当てはめることはできない。スプールの容量が変われば、結果も変わる。
また、計算上は同じ容量でも、ラインの実際の太さや巻き付ける時の張りによって巻き上がりが変わる。数字は下巻きを始めるための目安と考える。
下巻き量が分からない場合は実際に巻いて合わせる
リールの糸巻き容量が分からない場合や、計算値と実際の巻き量が合わない場合は、現物で調整する方法がある。
考え方は、使いたいメインラインを先に巻き、残った容量を下巻き糸で埋めてから、巻く順番を反転させるというものだ。
空ボビン2個を使って巻く順番を入れ替える
本番用のリールで仮巻きする場合、糸巻き用の空ボビンが2個あれば順番を入れ替えられる。
- 本番用スプールに、使いたい長さのメインラインを先に巻く
- その上へ下巻き糸を接続し、メーカーの推奨する巻き量まで巻く
- 巻いた糸をすべて空ボビンAへ移す
- 空ボビンAから空ボビンBへ、すべて巻き移す
- 空ボビンBから本番用リールへ巻き戻す
最初の仮巻きでは、メインラインが内側、下巻き糸が外側になる。
これを空ボビンAへ移すと、下巻き糸が内側、メインラインが外側になる。さらに空ボビンBへ移すと、もう一度順番が反転する。
最後に空ボビンBから本番用リールへ戻すことで、下巻き糸が内側、メインラインが外側の状態になる。
空ボビン1個だけで本番用スプールへ戻すと、最初の仮巻きと同じ順番になってしまうため、ここは注意したい。
また、本番用と同じ容量の交換スプールがあり、そのスプールで仮巻きできるなら、交換スプールから本番用へ直接巻き移す方法もある。
どちらの場合も、巻き移す時に糸を緩ませず、適切なテンションを掛けながら作業する。
なお、スプールによっては下巻きに使えるラインの材質に制限がある。PE専用スプールなどでは、ナイロン下巻きを認めていない製品もあるため、使用する糸は取扱説明書に合わせる。
PEラインをリールに巻く具体的な手順と注意点はこちら👇

計算どおりに下巻きしても量が合わない場合
計算ではちょうどよいはずだったのに、実際に巻くと多すぎたり、少なすぎたりすることがある。
理由として考えられるのは、ラインの実際の太さや巻く時の張りの違いだ。
特にPEラインは、編み方やコーティング、製品による違いがあり、同じ号数でも実際の糸巻量に差が出る場合がある。
計算値と違ったからといって、必ずしも計算方法を間違えたとは限らない。
下巻きが多すぎた場合
メインラインを巻き終えた時、メーカーの推奨位置を超えているなら、下巻きを減らす方向で調整する。
糸を詰め込みすぎると、キャスト時にラインがまとまって放出され、絡みやエアノットの原因になる。
この場合は、メインラインを一度退避させて下巻きを減らし、巻き直すことになる。
下巻きが少なすぎた場合
メインラインを巻き終えても、メーカーの推奨位置より大きく低いところで止まっているなら、下巻きが足りない可能性がある。
この場合も、メインラインを一度退避させ、下巻き量を増やして調整できる。
ただし、必ず推奨上限いっぱいまで巻く必要はない。
シマノも、キャスティング用途では推奨量よりやや少なめに巻くことで、ライントラブルが減少する傾向を説明している。
計算上の満巻き量を優先するより、使用するリールの推奨位置と、実際の釣り方に合わせて仕上げる方がよい。
スピニングリールにラインを巻く時のテンションや、巻き上がりの確認方法は、シマノ公式の糸巻き動画が参考になる。
下巻き量より先にメインラインの長さを決める
下巻きを何m入れるか考える前に、釣りで使うメインラインの長さを決めておく。
例えば、PEラインを150m巻くと決めたなら、下巻きを追加しても実際に使えるPEラインは150mのままだ。
遠投や魚が走る釣りでは、メインラインそのものの残量が重要になる。
魚がメインラインを出し切れば、下巻きとの接続部分にも負荷が掛かる。下巻きでスプールを埋めたからといって、釣りで使うラインの不足を補えるわけではない。
まず釣り方に必要なメインラインの号数と長さを決める。その上で、残ったスプール容量を下巻きで調整する。
下巻き量は計算で目安を出し、最後は実際の巻き上がりで合わせる。 リールの番手だけを頼りに下巻き量を決めるより、無駄な巻き直しを減らせる方法だ。
素人だけど、検証して最適は選ぶ。
