同じ「アジ」でも、東京湾と相模湾では味がまったく違う。
これは釣り人の間だけの噂ではなく、実際に両方で釣って食べ比べると東京湾アジのほうが圧倒的に旨いという事実として見えてくる。
脂ノリ、香り、噛んだ瞬間に広がる濃さ──すべてが違う。
この記事では、堤防釣りの一次体験ベースで「なぜこんなに味が変わるのか?」をシンプルに解説していく。
東京湾アジは“圧倒的にコクがある”
東京湾で釣れるアジを刺身にすると、まず脂の甘みが広がり、身に密度がある。噛んだあとに残る“旨みの芯”が長く続く。
一方、相模湾のアジはサッパリ上品。軽やかでキレの良い後味が特徴。
どちらも美味しいが、方向性はまったく違う。
味の差を生む最大要因は「潮の性格」
- 東京湾:潮が緩い × 栄養が滞留 → 脂がつく
プランクトンが豊富で小魚も多く、アジのエサが安定している。 - 相模湾:黒潮 × 透明度が高い → 身が締まる
潮が速く回遊性が強くなるため、運動量が増えて身質が引き締まりやすい。
東京湾=脂ノリ型 / 相模湾=引き締まり型 という差が生まれる。
香りの違いは「海のにおい」をそのまま反映している
東京湾のアジは、噛んだ瞬間にわずかに甘い香りがある。
これは水中の栄養環境と餌の種類が影響していると感じる。
相模湾は透明度が高く匂いのクセが少ないため、軽く爽やかな風味になりやすい。
“釣り方の違い”にも味の差が表れる
- 東京湾:居着き型(脂がのりやすい)
群れが留まりやすく、コマセも効くため数釣りしやすい。 - 相模湾:回遊型(身が締まりやすい)
タイミング勝負で、釣れない日は本当に釣れない。
「居着く=太る」「回遊=引き締まる」という自然の仕組みが味へ直結する。
一次体験でわかった“食べ方の最適解”
東京湾アジ:刺身・たたき向き
脂と香りが強く、生で食べたときの満足度が高い。特に30cm前後の11月個体は脂が最高潮だった。
相模湾アジ:焼き・フライ・南蛮漬け向き
身が強くて火を入れても旨い。9月に釣れた20cm前後はキュッと締まって最高だった。
まとめ:東京湾アジの旨さは「環境が作った必然」
潮が緩い → エサが多い → 脂が乗る → 旨い。
シンプルだけど、海の性格がそのまま魚の味になる。
両方の海で釣って食べると、アジという魚の奥行きが一気に広がる。これは釣り人の特権だと思う。
素人だけど、検証して最適は選ぶ。
