
S U P を始めたばかりの頃、ぼくは「落ちたらどうやって戻るの?」という不安をずっと抱えていました。
実際やってみると、SUPは落水前提のアクティビティ。経験者でも普通に落ちるし、落ちること自体は何も悪くない。
ただ、初心者にとって問題なのは「どう戻るかが分からない」ということ。
そこでこの記事では、ぼく自身の一次体験にもとづき、初心者でも再現できる“実戦的な再上艇方法”をまとめます。
SUPで落水した時に最初に確認すること
落ちた瞬間に焦ると危険です。まずは次の3つだけ確認してください。
- ① パドルは流されていないか(リーシュ必須)
- ② SUP本体に繋がるリーシュが無事か
- ③ 周囲に人・船がいないか
この3つさえ確認すれば、大丈夫。あとはゆっくり戻ればOKです。
最も成功率が高いのは「側面アプローチ」
SUPの再上艇にはいくつか方法がありますが、初心者が最も成功しやすいのは側面から乗る方法です。

ぼくが実際に成功率が高かった手順を、そのまま言語化します。
① 頭をボード側面の“中央”へ寄せる
S U P の前後はバランスが悪いのでNG。必ず側面中央に頭を寄せます。
② 両手を側面に伸ばして“ボードを掴む”
ここは力はいらない。引っ張るのではなく、体の位置決めのために触るだけ。
③ その場で全力でバタ足し、体を“ボードと平行まで”浮かせる
再上艇の最大ポイントはここ。
- 全力バタ足で浮力を作る
- 体を水面に対して水平に近づける
- ボードに最も平行に近づく瞬間をつくる
この“平行になる瞬間”があると、一気に乗れます。
④ 平行になった瞬間に「ボードを自分に寄せるイメージ」で腹から乗る
自分自身が海から飛び出すのでなく、ボードをこちらに寄せるイメージ。
すると体が自然とボードに乗ります。腹から滑り込む形が一番安定します。
⑤ 一回で乗れないのは“普通”。焦らなくていいです
経験者でも一発で乗れないことはよくあります。
落ち着いて、③の“平行を作る”ところからやり直せばほぼ成功します。
再上艇の成功を左右するポイント
ぼくが何度も落ちて掴んだ「成功率が上がるコツ」をまとめるとこうなります。
- 無理に力で乗らない(水平を作った瞬間が勝負)
- 常に側面中央で行う
- 何度も落ちて練習すると“恐怖がゼロ”に近くなる
- 焦らなくなる
- 落ちる前提でいると、最終的になぜか落ちなくなる(逆説的真理)
ライフジャケットとリーシュは絶対に必要
S U P の落水で危険なのは、“流されること”。
だからリーシュは命綱です。
- ボードリーシュ:必須(これがないと終わり)
- パドルリーシュ:できれば必須
- ライフジャケット:100%必須
特にパドルは、風があると数秒で10m以上流れます。
風・波・疲労で再上艇が難しくなる状況
再上艇は環境によって難易度が変わります。
- 風が横方向から吹く
- うねりが強く、ボードが回転してしまう
- 漕ぎ疲れで体力が落ちている
- 緊張で呼吸が浅くなる
特に横風+疲労は再上艇の失敗が多い組み合わせなので注意。
落水からの再上艇の全体フロー
流れを一枚で理解したい人向けにまとめます。
- ① 落水
- ② パドル・ボードを確認(リーシュ確認)
- ③ ボード側面の中央に移動
- ④ 両手をかける
- ⑤ バタ足で水平を作る
- ⑥ 腹からスライド乗艇
- ⑦ 体が乗ったら膝をついて安定姿勢へ
初心者は“落水練習”をした方が安全で釣果も上がる
これは完全に一次体験ですが、落水練習をやっておくと、
- 落ちても焦らなくなる
- SUP自体の操作が安定する
- 釣り中の行動が落ち着く
- 結果として釣果が伸びる(本当に)
「落ちるのが当たり前」と思えた瞬間、SUPの世界は大きく変わります。
まとめ:SUPの再上艇は“技術”より“落ち着き”が9割
SUPはとても自由で楽しいアクティビティですが、海は時に厳しい環境です。
再上艇はコツさえ掴めば誰でもできます。ポイントはたったひとつ。
体を水平にして、平行の瞬間に腹から乗る。
この感覚が分かれば、SUPの安全性は一気に高まります。
落ちても大丈夫。焦らずに一呼吸おけば、海は必ず乗せてくれます。
素人だけど、検証して道具は選ぶ。