ある朝、岸でSUPを浮かべようとしたとき、目の前の波だけ突然リズムが変わる瞬間がありました。
静かだと思っていた海が、次の瞬間には一段だけ深く息を吸い込むように「ドン」と押し返してくる——。
その動きに気づいたとき、ぼくは初めて、波には“表と裏の顔”があることを理解しました。
SUP釣りでは、風と同じくらい波の読み方が大事。
でも「うねり」「周期」「方向」といった言葉は、最初はどう扱っていいか分からない。
この記事では、僕自身がSUP釣りで経験してきたことを元に、初心者でも理解できる“波の読み方の基礎”をまとめます。
波を理解できるようになると、安全性は爆上がりし、釣果にも直結します。
なぜSUPは「風」と同様に「波」にも気をつけるべきなのか?
SUPは安定性が高いように見えますが、実は横揺れに非常に弱い乗り物です。
ちょっとした横波でもバランスを奪われることがあります。
そのため「波の状態」で危険度が変わってきます。特に次の3つは全国どこでも共通するSUPの特性です。
- ① SUPは“横方向”の波に弱い
- ② 岸際は波が乱れやすく、小さい波でも危険になる
- ③ 波の“周期”が短いほどガタガタして不安定になる
波の高さだけ見てもSUPの危険度はわかりません。
「高さ+周期+方向」が揃って初めて予測できます。これが難しい!
波を読む3つの基礎:高さ・周期・方向
波を見る時、僕らは「何メートルの波か?」に目が行きがちです。
けれどSUPでは、波高よりも周期と方向のほうが重要です。
① 波の「高さ」より“周期”を重視する理由

周期とは、波と波の間隔(何秒おきに来るか)のこと。SUPでもこれは重要事項です。
- 周期が短い(3秒未満) → ガタガタ・不安定
- 周期が普通(4〜5秒) → 揺れるが制御可能
- 周期が長い(6秒以上) → 大きくても素直で安定する
実際、1m未満の小さい波でも周期が短いとSUPはすぐバランスを崩します。
一方で、大きめのうねりでも周期が長ければ、体重移動で十分いなすことができます。
② 波の“方向”は風速以上に大事
波がどの方向から来ているかでSUPは安定したり不安定になったりします。
- 追い波(後ろ→前)は比較的安定
- 向かい波(前→後)は漕ぎが重くなる
- 横波(横→横)は最も危険
SUPで一番危ないのは横波+横風の組み合わせ。これだけで転覆リスクが一気に跳ね上がります。
③ うねり(遠くの力)は初心者が最も誤解する波
うねりは遠くの低気圧や風が生み出した大きな“揺れだけ”を運ぶ波です。
見た目は穏やかでも、周期が長い大きなうねりはSUPの角度をゆっくり変えてきます。
これに慣れていないとバランスを崩しやすい。
ただし、周期が長ければ大きなうねりでも意外と乗れます。重要なのは、波高より周期・方向です。
沖が安全で岸が危険な理由
意外に思うかもしれませんが、多くの海で共通するのは沖のほうがSUPは安定するという事実です。
理由は単純で、岸には“波が乱れる構造”があるからです。
- 反射波(返し波)が重なって複雑になる
- 浅場で波形が変わり急に立つ
- 波が複数方向からぶつかる
SUP初心者の多くが岸で落水しますが、これは岸が危険なのではなく、“落ちやすい構造がある場所”だからです。
むしろ沖は波の周期が揃いやすく、角度も読みやすい。SUPにとっては安全帯になります。
SUP釣りで注意したい“4つの波のパターン”
波の種類を理解すると、現場判断が一気にラクになります。
① 風波(短い周期でガタガタ)
風で作られた小刻みな波。周期が短いのでSUPが最も不安定になる。
② うねり(周期が長い大きな揺れ)
遠くの風が原因。大きくても素直な場合が多い。
③ 返し波(岸際限定の危険波)
岸で反射した波が本流とぶつかり、突然立ち上がる。
④ 船の引き波(実は一番転覆が多い)
船の通過後に来る波は強く、横波で受けると転覆しやすい。
SUPは必ず正面を向けて乗り越える習慣をつけてください。
波の読み方フロー(出艇前〜釣り中)
波を読むための“行動順序”をまとめるとこうなります。
- ① 出艇前に波の周期を確認(アプリでOK)
- ② 岸の様子を見て“乱れ方”を観察
- ③ 沖に出て実際の波の方向を体で掴む
- ④ 帰還ルートの波が“横方向になる瞬間”を避ける
波を読む習慣がつくと、「今日は危険」「今日は行ける」が感覚でわかるようになります。
釣果が伸びる“波の使い方”
波を読めると安全になるだけじゃなく、釣果も伸びる可能性があります。
- 周期が長い → ベイトが散らばりやすい(青物が回遊しやすい)
- 風波が強い → ベイトが沈み反応が減る
- うねりが強い → 底物は意外と食う
SUP釣りでは「波を読む力=釣れる力」に理論上は直結します。
僕にはまだなかなか実力が追いつきません。
まとめ|波が読めるとSUP釣りは“怖さ”の大半を克服できる
SUP釣りは自由で最高に楽しいアクティビティですが、海は時に厳しい表情を見せます。
波を理解しておくと、
- 焦らず判断できる
- 無理をしなくなる
- 行っていい日・ダメな日が分かる
- 安全と釣果が両方手に入る
波は怖いだけのものではなく、“海の情報”そのもの。
読み方を知れば、SUPの世界が一気に開けます。
素人だけど、検証して道具は選ぶ。
