海に出ると、必ずひとつの光景に出会う。
着ているライフジャケットが人によってまったく違う。
肩まで厚いベストの人、薄いスポーツタイプの人、腰に細いベルトだけの人。
「なんでこんなに種類があるんだ?」と横目で見ながら、僕も最初は同じ疑問を抱えていた。
調べるほどに“桜マーク”と“L1/L2/L3”がごちゃ混ぜになり、
どれが安全でどれが違うのか、正直まったく判断できなかった。
でも、SUP・磯・河川で何度も落水する中で、あるシンプルな結論に辿り着いた。
「桜マーク」と「L基準」は、似ているようで完全に別物。
混ざって理解すると、本当に避けたい場面で危険な選択をしてしまう。
まず、桜マークは“船の法律”。SUPには義務がない
桜マークは、国土交通省とJCIが検査して認めた「救命胴衣」の証。
小型船舶に乗るときの法定備品として義務で、 船に乗る人はType AやDなど、決められた物を必ず着けないといけない。
ただ、SUPは小型船舶ではないため、この法律の対象外。
海上保安庁のガイドでも「SUPは桜マークの着用義務なし」と明記されている。
だからSUPの人が桜マークを着けていなくても違反にはならない。
これは誤解している人が多いので、最初にしっかり整理しておくと安心。
次に、L基準(L1〜L3)は“民間の浮力基準”
よく混ざるけど、L基準は国の基準ではなくて、 日本釣用品工業会(JSYIA)が作った“釣り・SUP向けの浮力区分”。
フィールドに合わせて浮力がどれくらい必要かを示すための、民間の目安。
- L1:最高浮力(磯・荒天・外洋)
- L2:一般的な釣り場・海・河川・SUP
- L3:穏やかな場所向け(軽量モデル)
つまり、桜マークとはそもそも役割が違う。 片方は「法律」、もう片方は「実際の浮力の目安」だ。
SUPで桜マークよりL基準が大事な理由
SUPは“落ちる前提”のアクティビティ。
僕自身も何回も落ちたけど、落ちた瞬間は本当に何も考えられない。
だからSUPで大事なのは、 落ちた直後に身体がすぐ浮いて、再上艇の動作を邪魔しないこと。
この条件に合うのは、船向けの分厚い桜マークより、 L2クラスの固形式フローティングベストの方が圧倒的に使いやすい。
SUPメーカーや釣具メーカーが固形式を推す理由もここにある。
膨張式はSUPとの相性が本当に悪い(転倒で壊れたり、間に合わなかったりする)。
L基準の使い分け(SUPならどれ?)
L1(最高浮力)
・磯・外洋・荒天気味
・体重が重めの人 or SUP+釣りの人向け L2(標準〜高浮力)
・海のSUPは基本これ
・湾内・サーフ・河川など万能 L3(軽量)
・湖・穏やかな日限定
・“とりあえず浮いていればOK”の軽い用途
SUPで避けたいのは「膨張式」
・落水直後は紐を引く余裕がない
・波で壊れたり不発のリスクがある
・腰巻きは沈んだ瞬間に体からズレる可能性
SUPはとくに岸際が危険。 一度転覆した時、膨張式だったらと思うとゾッとする瞬間があった。
SUP初心者に向けた結論
SUPだけなら → 固形式フローティングベスト(L2)
SUP+釣りもするなら → L1 or L2クラス(固形式)
桜マークは義務なし
膨張式は非推奨
桜マークとL基準がぐちゃっと混ざると本当にややこしいけど、 役割の違いが分かると選ぶのは意外と簡単になる。
どれを選んでいいか迷っていた頃の自分に、一番渡したかった整理。
素人だけど、検証して最適は選ぶ。
