スプーンにおける「重さ」は、単なる飛距離や沈みやすさの話ではなく、
自分の中では、レンジと通過時間をどう管理するかという意思確認に近いものだと思っている。
沈下速度が変わる。
流れの受け方が変わる。
同じ巻きでも、ルアーがそこを通過する「時間」が変わる。
エリアトラウトで僕がひとつの基準として置いているのが、
0.6g / 1.0g / 1.6g / 1.8g という重量帯。
これは「この重さが釣れるから」という基準で分けたものではなく、
自分が釣りをしながら「変わった」と実感できる境い目が、この4つに収束していった。
だから、この分け方は一般論ではないかもしれないけど「重さを変えると、何がどう変わっているのか」を考える入口としては、ひとつ扱いやすい基準になると思っている。
スプーン重量とは何を決めているのか
重さを変えるという行為は、単なる微調整ではなく、
次の3つを同時に動かしていると考えている。
- どのレンジを通すか
- 魚の前をどれくらいの時間通すか
- 流れ・水圧をどう受けさせるか
同じ色、同じ形状でも、重さが変わればスプーンは別の存在になる。
釣果が変わる理由は、当然魚が「重さ」を見ているからではなく、
重さによって、水中での振る舞いが変わり、それに反応するからだ。
基準になる4つの重量帯
エリアトラウトで僕が使い分けている重量帯が、次の4つだ。
- 1.8g:状況を広く把握するための基準
- 1.6g:万能帯・流れとレンジのバランス点
- 1.0g:反応を詰めるための調整域
- 0.6g:最終域・確認と我慢の重さ
重要なのは、これは強弱の序列ではないということ。
「軽い=弱い」「重い=強い」では成立しない。
それぞれが、異なる問いを水中に投げていると思って使い分けている。
なぜ基準ウェイトが「0.6g / 1.0g / 1.6g / 1.8g」の4つなのか
結論から言うと、この0.6g / 1.0g / 1.6g / 1.8gという4点は、 釣具メーカーが決めた数字でも、恐らく教科書的な正解でもない。
エリアトラウトという環境の中で、人間(僕)が「違いを認識でき」かつ「魚の反応差が明確に現れる刻み」として、 自然に僕の中で収束してきた判断単位だ。
重量は連続値なのに、なぜ「基準点」が生まれるのか
理論上、スプーンの重さは 0.8g、0.9g、1.1g、1.2g…と無限に刻める。
でも実釣では、その差がレンジや巻き速度の誤差に吸収されてしまう領域が確実に存在する。
同じ層を通っているように見える。 同じような反応に見える。
そうなると、人間は「変わった」と確信できなくなる。
体感できる境界線が、この4つだった
1.8g|探る・把握する側の基準ウェイト
沈下が明確に速くなり、流れや水押しを「切る」側に入る重さ。
ボトム〜表層までを一気に通して、魚が浮いているのか沈んでいるのかを判断しやすい。
最初の1投で状況を掴むための重さ
1.6g|エリアトラウトの物差し
表層〜中層を安定してキープでき、スピード耐性も広い。ボトムからの巻き上げもできる。
巻きで多少の誤差を吸収でき、多くの状況をカバーできる。
基準として据えられる万能ウェイト
1.0g|食わせ側に入る境界線
沈下が一段ゆるみ、ルアーの通過時間が明確に伸びる。
ここから魚の反応は「食う・食わない」ではなく、
「追うか/見切るか」という質の違いとして現れやすくなる。
判断余白を作る側の重さ
0.6g|最終域・反応確認のウェイト
レンジ保持が一気に不安定になり、スピード依存度が極端に高くなる。
釣るためというより、魚の反応がまだ残っているかを探る役割が強い。
「まだ口を使う魚がいるか」確かめるための重さ
なぜ 1.2g や 1.4g が「基準」にならないのか
もちろん中間ウェイトは存在するし、実戦でもよく使う。
しかしそれらは多くの場合、 1.0g寄り、もしくは1.6g寄りの性格を補正した存在になる。
つまり基準点ではなく派生点だと考えている。
形状や波動で性格を振ったスプーンは、この間を埋める役割を担う。
基準として必要なのは、「最小構成で全体を説明できる点」。
その条件を満たした結果、この4点となった。
これは「人間の認知限界」に基づいた刻みでもある
現場で人間が同時に管理できる情報には限界がある。 重さ・形状・速度・レンジ・色。
この中で「重さ」を独立した判断軸として機能させるためには、 明確に違いが分かる数まで絞る必要がある。
多すぎず、少なすぎず、混乱しない。 それでいて全域をカバーできる。
0.6 / 1.0 / 1.6 / 1.8 という刻みは、 実釣と人間(僕)の思考の両方にとって、最も扱いやすい最小集合という結論になった。
1.8g|状況を把握するための重さ

1.8gは、最初に投げる重さとして非常に優秀だ。
- 沈下が早く、レンジを把握しやすい
- 流れの影響を受けにくい
- 魚の反応が「出る/出ない」で分かりやすい
この重さは、魚を釣るためというより状況を読むために投げられる。
反応が早すぎる、強すぎると感じたら、ここから軽くしていく。
1.6g|エリアトラウトの基準点

1.6gは、多くの人が「万能」と感じる重量帯だ。
- 表層〜中層を安定して通せる
- 流れのある場所でも泳ぎが破綻しにくい
- スピード調整の幅が広い
この重さで釣れない場合、
「レンジがズレているのか」
「存在感が強すぎるのか」
という判断に進める。
1.0g|反応を詰めるための重さ

1.0gは、魚がいることは分かっているが、
反応が続かない・弱い時に投入されることが多い。
- 通過時間が伸びる
- 魚が判断する余白が増える
- スピードのズレが釣果に直結する
「釣れそうだけど釣れない」
その理由を一段深く探るための重量だ。
0.6g|最終確認の重さ

0.6gは、軽いから釣れる重さではない。
- スピード依存度が極端に高い
- レンジキープが難しい
- 釣れるタイミングが限定される
この重さが効く時は、すでにかなりシビアな状況であることが多い。
反応があるかないかを「確認する」ための重さでもある。
軽くすればいいわけではない理由

セオリーとして、
「重さを下げる」「シルエットを小さくする」「色を落とす」
という流れは確かに存在する。
ただし、生き物相手の釣りでは、
その逆が刺さる日も確実に存在する。
レンジが下がった魚に対して、
あえて重くして早く通すことでスイッチが入ることもある。
再現性はどこにあるのか

この重さを投げれば必ず釣れる、という答えはない。
けれど、
- 重くした時に何が変わるか
- 軽くした時に何がズレるか
- 魚の反応がどう弱くなるか
この構造には、確実な再現性がある。
この考え方を、実際のスプーンローテに落とすと


ここまで書いてきた「重さ」の考え方は、ある意味ただの理屈だ。
釣りで実行できなければ意味がない。
以下の記事では、その日の状況の中で、実際にどんな順番でスプーンを入れ替えているかを、 できるだけそのままの思考で書いている。 机上の整理ではなく、僕がよく行くエリアで起きる反応をもとに組んだローテの実例になる。
「この重さが釣れる」ということではなく、 なぜその重さに行き着いたのか/どこで判断を切り替えたのかという点を僕はエリアトラウトの釣りでは特に大事にしている。
ただの一般アングラーが検証して組んだ1例だが、参考にしていただければ幸いだ。
まとめ|重さとは「判断の翻訳装置」

重さは、状況を理解し、次の判断へ進むための翻訳装置のようなものだ。
今どの層を、どれくらいの時間で、どう通したいのか。
それが、スプーンにおける「重さ」という要素だと僕は思っている。
素人だけど、検証して最適は選ぶ。
