磯は写真では伝わらないリスクが積み重なる場所だ。
乾いて見える岩は薄い塩膜で滑り、少し波が上がれば足元まで一気に水が届く。
風が変われば波の向きも変わるし、暑い日は虫も増える。
ぼくも何度か足を取られ、落ちかけた瞬間を経験している。
そこで強く感じたのは「釣り道具より先に、命を守る装備を揃えるべき」という当たり前の結論だった。
磯は常に状況が更新されるフィールド。
変化に耐えられる装備こそが、本当の“必須アイテム”になる。
フェルトスパイク|滑りのリスクを最小にする基礎装備
濡れた岩や海藻の付いた面は、普通の靴だと一歩で足が流れる。
フェルトスパイクは摩擦を最大化するための専用ソールで、これがあるだけで安心感が桁違いに変わる。
斜面、段差、ゴロタの移動が多い磯では、転倒=海側への落下につながりやすい。
安全を第一に考えるなら、フェルトスパイクは“選ぶ”ではなく“履く前提”だ。
フローティングベスト|機動力と浮力を同時に確保
磯は荷物を地面に置ける場所が少なく、両手が塞がると動きにくい。
収納が多いベストなら、道具・仕掛け・ライトなど必要なものをまとめて持ち運べる。
もし足場で滑っても、浮力で身体が沈みにくくなるため、海に落ちたときの生存確率が段違いに上がる。
“釣り用のバッグ”ではなく“命を守る装備”としてのベスト選びが重要だ。
グローブ|転倒時のダメージを大幅に削る
磯では岩を掴む動きが多い。
素手だと滑った瞬間に手のひらを削り、体勢を立て直す前に転倒につながってしまう。
グローブがあれば摩擦が生まれ、身体を支える時間が生まれる。
夜間の暗い岩場でも安心して手を置けるため、滑り止めの素材がしっかりしたタイプが理想だ。
ヘッドライト+予備ライト|暗闇の磯は視界ゼロになる
夜の磯は想像以上に真っ暗で、ライトが切れた瞬間に動けなくなる。
撤収ルートも波のタイミングも読めなくなり、落水リスクが跳ね上がる。
明るさ・照射距離・バッテリー持ちは最重要。
必ず予備ライトを持ち、ライトの光が命綱になる場面を前提として装備するべきだ。
防水スマホ & ホイッスル|緊急時の“声”を確保する
スマホが濡れて使えなくなると、救助を呼ぶ手段が一気に消える。
防水ケースに入れて首から下げておけば、落水時でもすぐ取り出せる。
そしてホイッスルは、波音で声が届かない磯でこそ機能する古典的ながら最強のシグナル。
使う機会は少ないが、無いと後悔する代表装備だ。
ラッシュガード|夏の磯では“薄いプロテクター”になる
夏の磯は、日差し・熱気・虫・汗が一気に襲ってくる。
ラッシュガードはUV対策だけではなく、虫除け、汗の気化冷却による熱中症予防にも役立つ。
ぼくは溶岩質の岩場で転んだとき、ラッシュガードが大きく破れたことがある。
もし素肌だったら皮膚が裂け、釣りどころではなかったはずだ。
薄い布一枚でも、擦過傷から身を守ってくれる。
“軽装”ではなく“軽量プロテクター”として考えるのが正しい。
命を守る装備は、持っている安心だけでなく、行動の選択肢を広げてくれる。
安全があるからこそ、釣りに集中できる。
素人だけど、検証して道具は選ぶ。
