ロックショアに立つと、風と波が“景色”ではなく“身体にぶつかってくる存在”になる。
足場は濡れ、苔が光り、潮は横へ走り、落ちたら一発アウトの場所もある。
そこで必要なのは、便利ギアではなく「生きて帰る装備」。
僕が SHIMANO VF-029U を選んだのは、その一点だった。
なぜ VF-029U を選んだのか

理由はとても明確で、“軽いのに浮力が高い”から。
VF-029U の浮力は 7.5kg。L2基準。
これは一般的なショア用フローティングベストより一段階上の安全域にある。
そして 029U は“荷物を詰める道具”ではなく、あくまで“命を守る装備”として最適化されている。
だからこそ、ポケットは少なく、形状は薄く、体の動きを邪魔しない。
釣具を詰め込むベストとは思想がまったく違う。
磯での実戦:ポケットが少ないことの意味
磯に立つと、荷物は「重さ」になって返ってくる。風・波・足場・段差・潮の流れ…すべてが集中力を削る。
029U はこの“集中力の奪われ方”を最小限にしてくれる。
軽く、体の軸がブレない。肩や腰の自由度が高く、濡れた岩場でも一歩が自然に出る。
特に崖の昇り降りでは、装備の軽さがそのまま「落ちない確率」に変わる。
029U が僕の命を救った瞬間

これが最も強烈な一次体験。
磯場で足を滑らせ、崖から背中から落下。岩に叩きつけられた。
あの瞬間、呼吸より先に「終わった」と思った。
だが背中には 029U のフォームがあり、衝撃が逃げてくれた。
背骨に直接の衝撃が入らず、数十秒後には立ち上がれていた。
あの一撃を素の身体で受けていたら、と思うとゾッとするどころじゃない。
029U は浮力だけじゃなく、“岩との衝突”にも明確に効く。
これはカタログスペックでは測れない、僕自身の一次体験だ。
SUPでの使用:引っ掛からず、動きが自由になる

SUP 釣りにも流用しているが、029U は SUP と相性がいい。
- ポケットが少ない=落水時に引っ掛からない
- 軽い=パドリング時の肩可動域が広い
- 薄い=デッキ上で体の重心変化が素直
実際に沖で落水訓練をしたとき、029U は水を吸いにくく、浮き上がりが速かった。
SUP から再上艇するときも、ポケットが邪魔にならないので非常に助かった。
浮力の信頼性:170cm 65kgの僕が“完全に浮く”
僕は実際に SUP 上で 029U を着て落水 → 再上艇の訓練をしている。
170cm / 65kg の成人男性だが、浮力は十分すぎるほど安定していた。
顔がしっかり水面から上がり、波を飲む恐怖もない。
浮力体は取り外しできるが、僕は付けっぱなしで丸洗い運用している。
それでも 2 年使ってカビ・ほつれ・劣化なし。耐久性は明らかに高い。
渓流での使用:背中のフォームが“転倒時の盾”

渓流でも使っているが、ここでも安心感が大きい。
流れの中で足が滑ったとき、背中側の硬質フォームがクッションとして働き、岩との衝突ダメージを減らしてくれる。
VF-029U は「水に浮く」前に「陸で守る力」がかなり強い。
収納が少ない=安全性が高いという事実
多くのフローティングベストは収納の多さを売りにしている。
しかし、磯や SUP では逆にリスクになる場合がある。
- 引っ掛かりやすい
- 重量が増える
- 重心がズレる
029U の“必要最低限のポケット”は、安全性を軸に考えた合理的な構造だと実感している。
耐久性とメンテナンス性|2年使って劣化ゼロ

磯・SUP・渓流で雨・海水・衝撃を浴びまくってきたが、029U は驚くほどタフだ。
- 海水を浴びてもすぐ乾く
- 型崩れしない
- 金具が錆びない
- フォームがヘタらない
使用後は軽く水洗い → 車に積みっぱなし。それでも 2 年で劣化ゼロ。
“命を預けるギア”として十分な信頼性がある。
VF-029U の本質は「安全性能 × 機動力」
このベストは派手なギミックがない。 でも、実釣すればするほど分かる。
- 浮力が高い
- 動きやすい
- 衝撃に強い
- 軽い
- ポケットが少ない(=安全)
これらは “釣り具” の機能ではなく、“生還率” を上げるための設計だ。
SHIMANO VF-029Uカタログスペック表
| 項目 | VF-029U(ロックショア用フローティングベスト) |
|---|---|
| タイプ | 固形式フローティングベスト(浮力体内蔵) |
| 用途 | ロックショア/磯釣り/ショアジギング/SUP補助用としても使用可 |
| 浮力 | 約7.5kg(大人1名を十分浮かせるクラス) |
| 素材 | 表地:高耐久ナイロン/浮力体:発泡浮力材 |
| サイズ | フリーサイズ(推奨:身長155〜185cm) |
| 重量 | 約1.1〜1.3kg(浮力体込み) |
| 前面ポケット | 最小限(収納は必要最低限) |
| 背面構造 | 高い衝撃吸収性を持つ浮力体ブロック(磯転倒時に有効) |
| フィット感 | スリムで動きやすい/SUPの再上艇で干渉しにくい |
| 特徴 | ・スリム構造で動きを邪魔しない ・落水時に身体が自然と浮き、顔が水面に出やすい浮力設計 ・ポケット少なめで軽快さ重視 ・磯・SUP・渓流の3ジャンルで併用しやすい |
| 耐久性 | 2年の車積みっぱなし運用でも劣化なし(ユーザー一次体験) |
| 価格帯 | 約20,000〜25,000円(市場変動あり) |
結論:VF-029U は「釣りを続けるための装備」
磯で転倒し、崖に叩きつけられた瞬間に救われた体験。
SUPで落水してもすぐに浮いて戻れた安心感。
このベストは、僕の命を一度確実に守ってくれている。
便利さではなく“安全”を軸にギアを選ぶ人へ、VF-029U は間違いなく刺さる装備だと思う。
素人だけど、検証して道具は選ぶ。
