防災用のポータブル電源について、よく言われる。
「災害に備えて、常に満充電にしておきましょう」
一見すると正しい。
でも、実際に使い続けて分かってきたのは、満充電待機は必ずしも最適解ではないという事実だった。
この記事では、災害前のポータブル電源をどの状態で待機させるのが一番合理的かを整理する。
なぜ「満充電待機」が当たり前になったのか
理由はシンプルだ。
・災害はいつ起きるか分からない
・空だったら意味がない
・多い方が安心
この3点だけを見ると、満充電は正解に見える。
ただし、ここには電池という現実が抜け落ちている。
リチウム電池にとって「満充電待機」は負荷が高い
ほとんどのポータブル電源は、リチウム系電池を使っている。
この電池にとって、
高温 × 満充電 × 長期待機
は、もっとも劣化しやすい条件だ。
特に日本の夏では、
・室温30℃超
・収納場所によっては40℃近く
という環境が珍しくない。
この状態で満充電放置を続けると、
・容量劣化が早まる
・内部抵抗が上がる
・最悪、発熱リスクが上がる
というデメリットが出る。
「じゃあ何%が正解なのか?」という疑問
ここでよくある極端な誤解がある。
「じゃあ半分以下がいいの?」
これは違う。
防災用途では、少なすぎる待機残量も危険だ。
理屈は単純で、
・停電直後に使えない
・充電する時間がない
・初動判断を誤る
というリスクが出る。
防災用途での“待機残量”最適ゾーン
実運用を踏まえた結論は、
60〜80%待機
このゾーンが一番バランスがいい。
理由は以下の通り。
・停電直後に即使える
・冷房・通信の初動をカバーできる
・満充電より劣化が遅い
・発熱・安全面の余裕がある
「フルじゃないと不安」という感覚は、運用で解消できる。
満充電にすべき“例外的なタイミング”
もちろん、満充電が正解になる瞬間もある。
それは、
・台風接近が明確なとき
・大雪・寒波が予測されているとき
・計画停電が事前に分かっているとき
こうした発生が予測できる災害では、
・前日〜直前に満充電
・終了後は再び60〜80%に戻す
という運用が合理的だ。
「充電しっぱなし」はやっていいのか
最近のポータブル電源は、過充電保護がしっかりしている。
そのため、短期的な充電しっぱなしは問題になりにくい。
ただし、
・数週間〜数か月の常時接続
・高温環境での放置
この組み合わせは避けたい。
防災用途では、
「定期的に残量を確認し、戻す」
この手間をかける方が、結果的に長く使える。
災害は「満充電」より「判断余地」を残す

防災で重要なのは、
・何時間動かせるか
・どこで諦めるか
・どう切り替えるか
という判断だ。
そのためには、
安全で劣化しにくい待機状態
を作っておく方が、長期的には強い。
まとめ|待機状態は「最大」より「最適」

満充電は安心感がある。
でも、防災は気分ではなく運用だ。
・普段は60〜80%待機
・予測できる災害前だけ満充電
・終わったら元に戻す
このサイクルが、もっとも安全で現実的。
素人だけど、検証して最適は選ぶ。
