災害用トイレというと、どうしても「最後の最後に使うもの」というイメージが強い。
正直、できれば一生使わずに済ませたい装備でもある。
けれど一方で、「使わずに済んだ=用意しなくていい」ものでもないのが、この手の装備の難しいところでもある。
今回レビューするのは、僕が実際に備蓄として選んだ [簡易トイレ 非常用トイレ 便座カバー付き 100回分] というセットだ。
幸い、今のところ実使用の機会はない。
だからこのレビューは「使い心地」ではなく、“どういう状況に対応できるのか”“備えておくことで何が変わるのか”という視点だけで整理している。
この簡易トイレが対応できる状況
まず、この手の簡易トイレが本当に必要になるのは、次のような状況だ。
・断水が発生している
・下水の安全が確認できない
・マンションや集合住宅で排水が怖くて流せない
・仮設トイレに並べない、行けない
特にマンションの場合、断水時に排水を流すと階下への逆流リスクがゼロではない。
ここは僕自身、過去の被災現場の話や経験からも、かなり強く意識しているポイントだ。
このセットは、
・便座カバー
・凝固剤
・防臭袋
という構成になっていて、普段使っているトイレにそのまま被せて使うことを前提にしている。
つまり「普段のトイレがそのまま“非常用トイレに切り替わる」というタイプだ。
このセットがくれる“安心”の正体
非常用トイレがもたらす安心は、「トイレができる」という単純な話だけではない。
・水を流さなくていい
・臭いを封じ込められる
・衛生状態を最低限維持できる
この3つが揃うことで、生活の崩壊スピードが一気に遅くなる。
電気が止まるよりも、水が止まるよりも、トイレが使えなくなるストレスは別格で重たい。
この一点を「とりあえず回避できる」というだけで、心理的な負担はかなり違ってくる。
100回分という“数字”が持つ意味

この商品は100回分という表記になっている。
この数字が現実的にどれくらいかというと、
・大人1人:1日4〜5回
・家族3人:1日12〜15回前後
ざっくり計算しても、
3〜4日分の“完全自宅対応トイレ”を確保できる計算になる。
これは「長期戦をこれだけで乗り切る」という意味ではない。
避難所・復旧・仮設トイレが機能するまでの最も混乱する初動期を、自宅で安全にやり過ごすための数字として見るとかなり現実的だ。
保存期間が長いという“強み”

この種の簡易トイレの大きなメリットは、
「買って終わり」「何年もそのまま寝かせておける」という点にある。
15年保存可能のアイテムだ。
水や食料と違って、
・賞味期限を気にしなくていい
・定期的な入れ替えがいらない
この“管理の楽さ”は、防災装備としてはかなり重要な要素だ。
防災は、「買ったあとに面倒になるもの」ほど、結局使われずに終わる。
簡易トイレはこの点で、かなり優秀な“放置できる装備”でもある。
正直なところ、この商品に「高性能」を求めていない

この簡易トイレに、
・快適さ
・使い心地
・座り心地
こうしたものは、正直まったく期待していない。
この装備に求めているのは、ただひとつ。
「水が止まっても、トイレだけは成立する」という事実だけだ。
この一点さえ満たしていれば、防災装備としては合格だと考えている。
実際に“使っていない”からこそ今はこう思っている

僕はまだ、この簡易トイレを実際には使っていない。
それは幸運なことでもある。
だからこそ、
「使わないまま、処分する日が来るのが一番良い」
と、今も本気で思っている。
それでも、
「もし今日ここで断水したら?」
この問いに対して、ひとつ明確な答えを持てていること自体が、この装備の価値だ。
レビューとしての結論

この簡易トイレセットは、
・快適ではない
・楽しくもない
・使う状況はできれば一生来てほしくない
そんな装備だと思っている。
それでも、
「水が止まっても、排水が怖くても、トイレだけは成立する」
この一点を、家庭に持ち込める装備でもある。
保存期間が長く、管理もいらず、出番がなければ一生眠ったままでもいい。
だからこそ、“持っていて損をするタイプの防災装備ではない”と感じている。
素人だけど、検証して最適は選ぶ。
