スプーンは「最初に投げるルアー」と言われることが多い。
実際、僕もその認識でスプーンを使っている。
ただ、最初だけというよりもっと広く常に戻ってこれる基準としての存在だと思っている。
クランクで釣れた後も、ミノーで反応が出た後も、 僕はもう一度スプーンに戻る。
理由は単純で、今の状況を読み直したいからだ。
この記事では、なぜスプーンがエリアトラウトにおいて 「ルアーの基準」になり続けるのかを整理してみる。
スプーンは「釣るため」だけのルアーではない
スプーン=ただ巻きで釣れるルアー。
確かに操作はシンプルだが、本質はそこまで単純ではないと感じている。
スプーンは状況を読むための情報量が圧倒的に多いルアーだ。
釣れる/釣れないだけでなく、 「なぜ今それが起きているのか」が分かりやすく返ってくる。
なぜスプーンはレンジズレが分かりやすいのか

泳ぎが素直で、ごまかしが効かない
スプーンの泳ぎはとても正直だ。
水を受けた分だけ動き、 流れに合わなければ姿勢がすぐに崩れる。
レンジがズレていれば反応が消えるし、 合っていれば追いや触りがはっきり出る。
補正力が低い分、ズレがそのまま結果に表れる。
動きの要素が少ないから原因を切り分けやすい
スプーンで操作できる要素は多くない。
基本は、重さと速度だけ。
浮力、浮上、トゥイッチ、急変化といった副要素がほとんどない。
だから「なぜ反応しないのか」を レンジ・速度・存在感に分解しやすい。
スプーンで分かる3つの判断情報
魚が浮いているか、沈んでいるか

表層を通して反応がない。 中層でも追いが出ない。
そうなると、魚は沈んでいる可能性が高い。
逆に表層で明確な追いが出るなら、 下の層を疑う必要はない。
スプーンは魚の位置を一番分かりやすく教えてくれる。
スピードが合っているか

追うが食わない。 触るが乗らない。
この違いが、スプーンだととても分かりやすい。
速すぎるのか、遅すぎるのか。 余白が足りないのか、与えすぎなのか。
スピード調整の結果が、ダイレクトに返ってくる。
反応がレンジ由来か、刺激由来か

レンジを変えただけで反応が戻るなら、 問題はレンジにあったということ。
レンジ一定で、色や揺れを変えて反応が出るなら、 刺激の問題だったと分かる。
この切り分けを静かにやれるのが、スプーンだ。
なぜ他のルアーでは基準になりにくいのか
クランクは泳ぎが補正されすぎる
クランクは自走力が強く、 多少ズレていても成立してしまう。
釣れるが、なぜ釣れたのかが曖昧になりやすい。
ミノーは反応を作る力が強すぎる
リアクションで答えを引き出せる分、 状況を正確に反映しないこともある。
突破力は高いが、読みには向きにくい。
ボトム系は確認用であって基準ではない
魚がいるかどうかは分かる。
ただし、全体像までは見えない。
ボトムは確認点であって、基準点ではない。
だからスプーンは常に戻る場所になる

クランクで釣れた後、スプーンに戻る。
ミノーで反応を作った後も、スプーンに戻る。
そこで同じレンジ・同じ速度で反応が再現できた時、 その日の状況がはじめて言語化される。
スプーンは終点ではない。
判断を更新するための起点だ。
スプーンはレンジを読むための道具

スプーンは正解を当てるためのルアー、
というより判断を進めるための翻訳機に近いと感じている。
スプーンで状況が読めるようになるほど、 クランクもミノーも、ボトムプラグも活きてくる。
エリアトラウトの思考は、 いつもスプーンから始まり、スプーンに戻る。
それが、この釣りの面白さだと思っている。
素人だけど、検証して道具は選ぶ。
