エリアトラウトで使うラインはどれを選んだら良いのか?
ナイロン、PE、エステル、フロロカーボン。
選択肢はそこまで多くないけど、判断は単純じゃない部分もある。
僕自身が、どういう順番でラインを使い、どこで迷って、今はどう使い分けているのか。その変化の記録を、僭越ながらそのまま書いてみる。
エリアトラウトのラインは大きく4種類ある
エリアトラウトで使われるラインは、釣り全般と同じく、4つの使い分けがメインになる。
まずは「どんな選択肢が存在するのか」だけ、整理しておく。
- ナイロンライン
- PEライン
- エステルライン
- フロロカーボンライン
この4種類が、エリアトラウトで現実的に使われるラインの全体像になる。 それぞれ性格がまったく違い、向いている役割も異なる。
大事なのは「どれが一番優れているか」ではなく、 「どのラインが、今の自分の釣りに合っているか」という視点。
まずはこの4つの選択肢がある、という前提だけ頭に入れておけば十分だ。
ここから先で、それぞれの特徴や使い分けを順番に整理していく。
最初は「ナイロン一択」だった理由

エリアトラウトを始めた当初、ライン選びで迷う余地はほとんどなかった。 理由は単純で、エリアをやっている友人に「まずはナイロンでいい」と勧められたからだ。
当時は、そもそもこの釣りを続けるかどうかも分からない段階だった。 だからこそ、
- いきなり難しくしない
- 余計な判断を増やさない
- まず釣りを成立させる
この3点を一番優先した結果、ナイロン一択という選択になった。 最強を探すより、「迷わず始められること」を重視した、という感覚に近い。
ナイロンが扱いやすかった理由
実際に使ってみて感じた、ナイロンの扱いやすさはかなり明確だった。
- ライントラブルが少ない
細いラインでも扱いやすく、キャスト時や回収時のストレスが少ない。 - リーダーを考えなくていい
直結で使えるため、「ノット」という要素を最初から考えなくて済む。 - 水馴染みが良く、ルアーのレンジが取りやすい
沈み方が素直で、スプーンの通る層をイメージしやすかった。 - スプーンの挙動を邪魔しにくい
ラインが主張しすぎず、ルアーの動きがそのまま返ってくる感覚がある。 - 伸びがあるからショック吸収に優れている
魚がかかった時に、ラインブレイクが起こりにくい
結果として、ナイロンは「初心者がつまずきにくい」ラインだったと思っている。 ラインに振り回されず、釣りそのものに集中しやすい。
判断を減らしてくれる。 考える前に、まず投げて、巻いて、魚を見る。 その環境を作りやすかったのが、ナイロンだった。
ナイロンで「十分」だった時期と転換期
ナイロンラインは、決して妥協の選択ではなかった。 実際、しばらくの間はナイロンで何の不満もなく釣りが成立していた。
魚は普通に釣れる。 スプーンも安定して動く。 ラインが原因で困ることは、ほとんどなかった。
だからこのフェイズでは、「ナイロンで十分」という感覚が正しかったと思っている。 少なくとも、釣りを楽しむ上で不足を感じることはなかった。
ただ、釣行を重ねるうちに、少しずつ感覚が変わっていった。
- 巻いていて「もう少し情報が欲しい」と思う瞬間が出てきた
- 違和感があったかどうかを、後から考えるようになった
- 釣りが「成立するか」ではなく「どう調整するか」に意識が向いた
魚は釣れているのに、
「今のは触ったのか?」
「レンジが合っていなかったのか?」
そういう疑問が増えてきた。
ここで大事なのは、ナイロンが悪くなったわけではないという点だ。 ラインの性能が足りなくなった、というより、こちらのフェイズが一段変わっただけだった。
釣りが「成立する段階」から、
「微調整を楽しむ段階」に入った。
その変化に気づいたときが、
次のラインを考え始めるタイミングだった。
PEを使ってみて分かった「情報量の差」

ナイロンでしばらく釣りを続けたあと、
「もう少し分かりたい」という欲が出てきて、PEラインを試すことになった。
このとき感じた一番の違いは、
同じ釣りをしているのに、入ってくる情報量が明らかに違うという点だった。
PEの特徴として感じたこと
- 伸びがほとんどない
ナイロンに比べて、入力と出力のズレが極端に少ない。 - ルアーの動きが手元にダイレクトに伝わる
巻き速度の変化や、水の抵抗の差が分かりやすくなる。 - ちょっとした違和感に気づきやすい
触ったのか、レンジがズレたのか、判断材料が増える。
「今、何が起きているか」を感じ取れる範囲が、
一段階広がったような感覚があった。
ナイロンでは「なんとなく」で流していた部分が、
PEにすると「何かがある」として引っかかるようになる。
同時に難しくなったこと
ただし、良いことばかりではなかった。 情報量が増える分、扱いは確実にシビアになる。
- リーダーが必須になる
結束や長さを考える必要があり、手順が増える。 - 水に沈みにくい
糸の性質上ルアーが沈みにくく浮きやすい。 - 風やガイド絡みの影響を受けやすい
軽いルアーほど、ラインの挙動に気を使う必要が出てくる。 - 色付きのラインしかない
PEには透明なラインというのが存在しない。
ナイロンのときは気にしなくてよかった要素が、
PEでは一気に前に出てくる。
結果として感じたのは、
情報量と引き換えに、判断が増えるラインだということだった。
PEは、釣りを「楽にする」ラインではない。
釣りを「細かくする」ラインだと思っている。
このフェイズに入ると、
ライン選びもまた、次の分岐点になっていく。
エステルは「最後に触るライン」で良い

エステルラインは、使う前から少し身構えていた。
正直な印象はこんな感じだった。
- なんとなく難しそう
- すぐ切れそうなイメージがある
- 扱いがかなり繊細そう
情報を調べれば調べるほど、
「これはもう少し経験を積んでからでいいや」と思っていたラインでもある。
結果的に、エステルは
自分の中では一番最後に触るラインになった。
実際に使って感じたこと

実際に使ってみると、エステルにははっきりした特徴があった。
- 感度はとても高い
小さな変化や、魚が触ったかどうかの境界が分かりやすい。 - 前提が整っていないとストレスになる
キャスト、ドラグ、やり取りのどこかが雑だと、トラブルになりやすい。 - ロッド・リールのドラグ設定・フックの影響が大きくなる
ライン単体では完結せず、タックル全体のバランスが問われる。
PEと同様、
エステルも「これを使えば楽になる」というラインではなかった。
むしろ、
- ロッドの反発をどう使うか
- リールのドラグをどこれへんで調整するか
- どのノットでリーダーと結束するか
- 一度ラインが伸びると強度が極端に下がるためラインチェックが欠かせない
こうした前提がある程度整ってからでないと、
メリットよりもストレスの方が先にくる。
だから今でも、
エステルは便利だけど万能ではないラインだと捉えている。
ただし、ある程度慣れていけばトラブルも極力減り、ラインブレイクもほぼなくなってくる。
こうなると、エリアトラウトでエステルは非常に優れた武器だと認識できるようになる。
エステルはある程度エリアでの釣りのフェイズが進み、
「ここをもう少し詰めたい」と思ったタイミングで、
初めて本領を発揮するラインだと思う。
エステルは最初から使うものではなく、
必要になったときに選ぶライン。
それが今の自分の結論だ。
フロロはリーダーとして使っている
もしかしたら今後使いたい場面があるかもしれないけれど、エリアトラウトでは、僕はフロロカーボンラインをメインラインとして使うことは今のところない。
ただし、リーダーとしてはかなり高い頻度で使っている。
フロロをリーダーに選んでいる理由

一番の理由は、扱いやすさと安定感のバランスがいいことだ。
- 4種類の中で比重が一番重く、沈みやすい
- レンジが安定しやすく、操作感のブレが少ないと感じる
- クセがつきにくく硬めで感度がいい気がする
「とりあえずこれで成立する」という基準を作りやすいのがフロロだと感じている。
PEやエステルと組み合わせる前提でも、リーダーはフロロを基準に考えることが多い。
ナイロンリーダーに替えることもある
一方で、リーダーを必ずフロロに固定しているわけでもない。
例えば、
- フロロの硬さが少し気になるとき
- 魚の反転が激しく、弾かれている感触がある時
- ショック吸収をもう少し効かせたいとき
こういう場面では、リーダーをナイロンに替えることもある。 ナイロンの伸びによる吸収が、結果的に掛かりを安定させてくれることもある。
結論:リーダーは基本はフロロ、ナイロンで調整
リーダーは、
- 基本はフロロでいい
- ナイロンもリーダーとしてかなり優秀
- その日の感触で替えていい
というのが今の僕の結論だ。
このスタイルのアングラーも多いと思う。
リーダーは、スペックだけで決め切るものではなく、 その日の違和感を調整するための「余白」みたいな存在だと思っている。
ラインを変えると「釣果」より変わるもの
ラインを替えると、よく「釣果がどう変わるか」を期待しがちだけど、 実際に一番変わったと感じているのは、そこではなかった。
むしろ大きく変わるのは、釣りをしている最中の内側の状態だ。
判断の速度が変わる
ラインが変わると、ルアーの状態や違和感の伝わり方が変わる。 それに応じて、「今どうするか」の判断スピードも変わってくる。
- ナイロン:判断を大きく取れて、流れに身を任せやすい
- PE:情報が増え、判断ポイントが細かくなる
- エステル:判断の精度が求められ、雑さが気になってくる→より丁寧に探るようになる
どれが正解というより、 自分が今どの密度で釣りをしているかが、そのまま反映される感覚だ。
ストレスの量が変わる
ラインは、釣りのストレス量にも直結する。
- トラブルが起きにくいか
- 復旧に時間がかかるか
- 気を使うポイントが多いか
情報量が増えるほど、判断は増え、ストレスも増えやすくなる。 逆に、多少の情報を捨てることで、釣りが楽になる場面も確実にある。
釣り全体の安定感が変わる
ラインが合っていると、 キャストから回収までの一連の動作がスムーズに流れる。
逆に合っていないと、
- 常に何かが引っかかる
- 集中力が途切れる
- 釣りがブレやすくなる
釣果の数字以上に、 「今日は安定して釣りができたかどうか」に強く影響していると感じる。
「たくさん釣れる」より「迷いが減る」
だから、ライン選びで一番大事なのは、 何本釣れるかよりもどれだけ迷わず釣りを続けられるかだと思っている。
ラインは魚を釣るための道具であると同時に、 釣りの判断負荷を調整するための道具でもある。
今の自分にとって、 迷いを減らしてくれるラインはどれか。 この視点で考えると、選択はかなり楽になる。
僕の今の使い分け例
ここまで色々書いてきたけど、 今の自分の使い分けは、そこまで厳密なルールがあるわけではない。
「今日はどう釣りたいか」 「どこまで集中できそうか」 その日のコンディションと気分で、自然と選んでいる。
ナイロンを使う日
- 判断を大きく取りたいとき
- 止水ポンドでレンジが深めの場所を攻める日
- ある程度の遠投が必要な環境
- 細かいことを考えすぎず、安定して釣りをしたいとき
情報量よりも、釣り全体の流れを重視したい日。 考えすぎずに釣りを楽しみたいときに選ぶ。
PEを使う日
- ラインからの情報をしっかり取りたい日
- 風が穏やかなコンディション
- レンジを深く探らなくていいポイント
- ミノーやクランクを多く使いたいとき
水の中で起きていることを一つ一つ確認したい日。 その分、判断も増える前提で使っている。
エステルを使う日
- 細かく、丁寧に釣りをしたい気分のとき
- 今日は集中できそうだと感じる日
- スプーンからプラグまで一本で通したいとき
- マイクロスプーンを多用しそうな日
便利さよりも、精度を取りに行く日。 フェイズが合ったときにだけ選ぶライン、という位置づけ。
固定解ではなく、可変
この使い分けは、あくまで僕の場合。
状況と気分で変えていいし、 むしろ変えているからこそ、釣りが続いているとも思う。
ラインは「決めきる」ものではなく、 その日の釣りに合わせて調整するパーツだと思っている。
また、持っていけるのであればロッドを2本、違うラインでタックルを組んで状況に合わせて使い分けするのも面白い。
僕は大体、2本タックルを組んで、その日の釣りを楽しんでいる。
ライン選びも「1本目/2本目」で考える

ライン選びも、ロッドと同じで 最初から全部を揃える必要はないと思っている。
むしろ、段階を分けて考えた方が、迷いにくく、後悔も少ない。
1本目:ナイロンで「釣りを成立させる」
最初の1本目は、ナイロンで十分に成立する。
- ライントラブルが少ない
- リーダーを考えなくていい
- レンジを把握しやすい
- 余計な判断を減らせる
まずは「釣りが回ること」を最優先にする。 魚を釣る以前に、釣りそのものが止まらないことが大事。
ナイロンは、その土台を作ってくれるラインだと思っている。
2本目:PEやエステルで「違いを知る」
釣りが安定してきて、 「もう少し分かりたい」「調整したい」と思い始めたら、 そこで次の一本を考えるタイミングになる。
- 情報量を増やしたい → PE
- 精度を詰めたい → エステル
どちらも、ナイロンの代替ではなく別の役割を持ったライン。
使ってみて初めて分かる感覚が多いからこそ、 土台ができてから触った方がストレスは少ない。
育てていく感覚でいい
ライン選びは、正解を一発で当てるものではない。
- いきなり全部揃えなくていい
- 段階ごとに試せばいい
- 合わなかったら戻してもいい
釣りと一緒に、 ラインの使い分けも少しずつ育てていく。
そのくらいの距離感が、 一番長く続く選び方だと感じている。
まとめ

ラインもロッドやリール同様、「正解を当てる」ための装備ではないと思っている。
ナイロン・PE・エステル、それぞれに向いている役割があり、 釣り手のフェイズが変われば、自然と選びどころも変わっていく。
最初はナイロンで十分だったし、 次に情報量が欲しくなってPEに触れ、 さらに詰めたくなったタイミングでエステルが意味を持つようになった。
どれが優れているか、ではなく、 「今の自分にとって、何がちょうどいいか」の話だけでしかない。
素人だけど、検証して道具は選ぶ。
