エリアトラウトを始めると、必ず触れることになるルアーがスプーンだ。
投げて、巻くだけ。
一見とてもシンプルで、誰でも使えそうに見える。
けれど実際に向き合ってみると、スプーンは驚くほど奥が深い。
同じルアーなのに、重さや速度、通す深さを少し変えるだけで、魚の反応がまったく変わる。
一方で、最初から考えるべきことはそれほど多くない。
いくつかの基本さえ押さえれば、スプーンはとても分かりやすく、学びやすいルアーになる。
この記事は、「スプーンでエリアトラウトを始めるための地図」として、つまずきやすいポイントを一つずつ整理してみる。
スプーンが初心者に向いている理由

スプーンがエリアトラウトの入口として選ばれる理由は、とてもシンプルだ。
基本の操作は、投げて巻くだけ。
難しいアクションを入れなくても、ルアーとして成立する。
それでいて、重さ・速度・通す深さを少し変えるだけで、
魚の反応がはっきり変わる。
- 反応が出る
- 追いが弱くなる
- 見切られる
こうした変化が分かりやすく返ってくるため、
「今、何が合っていないのか」を考えやすい。
クランクのように「とりあえず釣れる」ルアーではない。
でもその分、釣れた理由・釣れなかった理由が頭に残りやすい。
だからスプーンは、
数を釣るためのルアーというより、上達するためのルアーとして扱われることが多い。
結果として、
「上手くなりたいなら、まずスプーン」
という考え方が自然と定着していく。
最初に覚えるのはこの3つだけ
スプーンには、考えられる要素がたくさんある。
重さ、色、形、揺れ、速度、レンジ…。
全部を一度に覚えようとすると、ほぼ確実に混乱する。
だから最初は、次の3つだけでいい。
- レンジ:どの深さを通すか
- 速度:魚にどれくらいの判断時間を与えるか
- 重さ:レンジと通過時間をどう管理するか
この3つは、すべてつながっている。
重さを変えればレンジが変わり、速度の意味も変わる。
逆に言えば、
この3つがある程度イメージできるようになると、
池の中で何が起きているかを整理して考えられるようになる。
なお、カラーはこの段階では最後でいい。
色はたしかに釣果に影響するが、
多くの場合、レンジや速度がズレたまま色だけ変えても結果は変わりにくい。
まずは、
「どこを、どれくらいの時間で、どう通すか」
この3点に意識を向けること。
カラーは、そのあとで十分に効いてくる。
スプーンの重さの考え方

スプーンの重さは、飛距離や沈みやすさだけの話ではない。
「今、どの層をどう通すか」を決めるための基準になる。
ただ、ここで深掘りはしない。
- 1.8g:探る・把握する(最初の一投で状況を見たい)
- 1.6g:基準・物差し(迷ったら戻れる万能帯)
- 1.0g:詰める・食わせ側(反応を丁寧に拾う)
- 0.6g:最終確認(反応が残っているか探る)
大事なのは「軽いほど偉い」「重いほど強い」ではないこと。
それぞれが違う問いを水中に投げているだけだ。
この4つの基準が「なぜそうなるのか」を含めて整理したのが上に貼った記事になる。
カラーは引き算で考える

スプーンのカラーは、最初に考える要素ではない。
基本はとてもシンプルで、派手から始めて、効かなくなったら落としていくだけ。
- 派手 → 抑え → 地味
- 反応が弱くなったら段階的に落とす
- 色で迷ったら、先に重さ・速度を疑う
「釣れない=色が合っていない」と考えがちだが、
多くの場合、原因はレンジや通過時間にある。
カラーはあくまで最後の微調整。
引き算で整理できると、迷いが一気に減る。
巻き方と速度の基本

スプーンの巻き方は多く見えるが、まず押さえるべきなのはこの3つだけでいい。
- 等速巻き(基準):一定のスピードで巻き続ける基本動作
- 超スロー:ギリギリ動くかどうかの速度。渋い時間帯に効く
- 速め:朝イチや放流直後など、反射で食わせたい時
どれが正解かは、その日の状況次第。
同じルアーでも、速度が少し変わるだけで反応ははっきり変わる。
そして一番難しいのは、実は等速巻き。
速くも遅くもならず、一定を保つのは想像以上に難しい。
ここは慣れるしかない部分でもある。
レンジの探り方(カウント例)

レンジ(どの深さを通すか)は、初心者が一番つまずきやすい要素でもある。
でも実は、やることはとてもシンプルだ。
- 0カウント:着水してすぐ巻く → 表層
- 3カウント:少し沈めてから巻く → 中層
- 6カウント:しっかり沈める → ボトム付近
まずはこの3段階で十分(例として6段階に分けたがこれを10や4にしてもいい)
反応がなければ、上下どちらかに一段だけズラす。
「表層がダメだから一気にボトム」ではなく、
少しずつ位置をずらしていくのがポイント。
エリアトラウトの魚は、時間や状況で上下に動く。
レンジを外していると、魚がいても簡単に無視されてしまう。
最初に揃えるスプーン(初心者セット)
最初のスプーン選びで一番大事なのは、
迷わせないこと・増やしすぎないこと。
いきなり大量に揃える必要はない。
むしろ選択肢が多すぎると、何が効いたのか分からなくなる。
まず揃える重さ
- 1.8g:状況を探る・把握する
- 1.6g:基準・物差しになる重さ
- 1.0g:反応を詰める
- 0.6g:最終確認
この4つがあれば、エリアトラウトの大部分をカバーできる。
色は最小限でOK
- 派手色 × 1(蛍光ピンク・蛍光イエローなど)
- 中間色 × 2(黄色・枯れ金・薄ピンクなど)
- 地味色 × 1(茶・オリーブ・黒系)
色はこのくらいで十分。
最初から細かく揃える必要はない。
色よりも、重さ違いを優先する。
同じ色でも重さが変わるだけで、反応ははっきり変わる。
まずはこの最小構成で、
「重さ・レンジ・速度がどう反応に影響するか」を体で覚える。
そこから必要になった色やスプーンを、少しずつ足していけばいい。
実際のローテ例(1パターンだけ)

ここでは、僕がよく使っているローテーションをひとつだけ紹介する。
あくまで一例であり、「これをやれば釣れる」という話ではなく、
流れの組み方をイメージするための参考として見てほしい。
- 朝イチ:1.8g × 派手カラー
まずは反応を出しやすい重さと色で、レンジや魚の浮き具合を把握する。 - 落ち着いてきたら:1.6g → 1.0g × 抑えカラー
同じ層を通しつつ、存在感と通過時間を少しずつ下げていく。 - 渋くなったら:0.6g × 地味カラー
反応がまだ残っているかを確認する段階。 - 反応が切れたら:クランクベイトなどのプラグへ切り替える
スプーンに固執せず、展開そのものを変える。
大切なのは、同じことを続けないこと。
そして、「何をどう変えたのか」を自分で把握しながら進めること。
この流れを軸に、
重さ・色・速度を前後させながら調整していくことで、
その日の状況に合わせたローテーションが組みやすくなる。
より細かい考え方や応用パターンについては、
ローテーションをテーマにした記事で改めて整理している。
ラインは最初はナイロンでいい
エリアトラウトを始めたばかりの段階では、
ラインはナイロンで十分だと考えている。
- トラブルが少ない
糸ヨレや高切れが起きにくく、釣りに集中しやすい。 - スプーンとの相性が良い
適度に伸びるため、掛かりが浅くなりにくく、バラしも減らしやすい。 - 操作に余裕が生まれる
巻き速度やレンジのズレをラインが吸収してくれる。
PEやエステルは感度が高く、強い武器になる反面、
扱いには慣れと準備が必要になる。
まずはナイロンで、
重さ・速度・レンジの感覚を身体に入れる。
その後にPEやエステルへ移行しても、決して遅くはない。
スプーンの面白さは「自分の正解」を探すこと

エリアトラウトでは、
毎回同じ正解が用意されているわけではない。
- 昨日釣れたやり方が、今日は通用しない
- 同じ池、同じ魚影でも反応が変わる
- 「これを使えば必ず釣れる」は成立しない
ただし、それは行き当たりばったりの釣りという意味ではない。
- 重さを変えたとき、何が変わったか
- 速度を落としたとき、反応がどう変わったか
- レンジをズラしたとき、魚がどう動いたか
こうした考え方の積み重ねは、確実に残っていく。
スプーンは、
その変化を最も分かりやすく教えてくれるルアーだ。
だからこそ、
正解を覚えるためではなく、
自分で正解を組み立てていく入口として、スプーンは最強だと思っている。
まとめ

- スプーンは「考える釣り」の入口になるルアー
- 正解を当てるための道具ではない
- 釣りの構造を理解するための道具
ただ巻くだけでも釣れる。
でも、少し考え始めると一気に世界が広がる。
スプーンは、
釣果より先に釣りそのものの見え方を変えてくれるルアーだと思う。
素人だけど、検証して道具は選ぶ。
