ポータブル冷蔵庫について考え始めると、必ず行き着くのが「電源」の話だと思う。
冷蔵庫単体で見れば便利な装備だけれど、防災の文脈では、それだけで成立するものではない。
実際に想定を進めていくと、
「この冷蔵庫は何時間動くのか?」よりも、
「電源全体の中で、どんな役割を持たせるのか?」を先に決めないと、判断がブレやすくなると感じた。
この記事では、
ポータブル冷蔵庫を電源システムの一部として見たときに、
どう整理すると考えやすくなるかをまとめていく。
まず前提として|冷蔵庫は電源設計の“従属装備”
主役ではなく、電源にぶら下がる装備

防災で優先される電力の使い道を考えると、
どうしても先に来るのは、通信・照明・そして夏ならエアコンだと思っている。
ポータブル冷蔵庫は確かに重要だけれど、
エアコンや通信と同列に「絶対止められない装備」として扱うと、
電源設計は一気に苦しくなる。
だから僕は、
ポータブル冷蔵庫を「主役」ではなく、
電源に余力があるときに効いてくる装備として位置づけるようにしている。
何Whでどのくらい回るかをどう考えるか

消費電力はカタログどおりに進まない
ポータブル冷蔵庫は、常に定格消費電力で動き続けるわけではない。
庫内が冷えればコンプレッサーは止まり、
温度が上がればまた動く、というサイクルになる。
そのため、
「◯Whで何時間動く」という計算は、
目安にはなっても、現実をそのまま表す数字にはなりにくい。
500Wh・1000Whクラスで考える現実ライン

個人的に意識しているのは、
冷蔵庫を「回し続ける」前提を置かないことだ。
冷やす。
止める。
必要なタイミングでまた冷やす。
このサイクルを前提にすれば、
1000Wh前後のポータブル電源でも、
冷蔵庫が役に立つ場面は十分作れると感じている。
実際に僕が使っているポータブル冷蔵庫で実測してみた記事を参考として上に貼っておく。
エアコン優先時のポータブル冷蔵庫の立ち位置
同時に全部を回そうとしない

夏の災害を想定すると、
どうしてもエアコンが最優先になりやすい。
エアコンと冷蔵庫を同時に稼働させ続ける設計は、
電源にかなり無理をかけることになる。
そのため、
エアコンが必要な時間帯はエアコンを優先し、
冷蔵庫は一時停止する、という割り切りを前提にしている。
冷蔵庫は「止めてもいい装備」である

エアコンは、判断力や体調に直結する装備。
一方、冷蔵庫は生活の質を支える装備だと考えている。
この優先順位をあらかじめ決めておかないと、
どちらも中途半端になりやすい。
冷蔵庫は止められる。
でも、エアコンは止める判断を慎重にしたい。
そう整理すると、
電源の使い方がかなりシンプルになる。
走行充電との相性|冷蔵庫はここで効いてくる
車が使える前提なら、設計は一段楽になる

車が使える状況では、
ポータブル冷蔵庫の価値は一気に上がる。
走行充電で電源を回復させながら、
飲み物や食品を冷やし続けられる。
これは、自宅に止まったままでは作れない余裕だ。
回復時間を価値に変える装備

走行充電は「電力を戻す時間」だが、
冷蔵庫があると、その時間自体が価値を持つ。
冷たい飲み物を作る。
食品の傷みを遅らせる。
ポータブル冷蔵庫は、
回復フェイズの恩恵を、生活に変換してくれる装備だと感じている。
ソーラーとの関係|期待を載せすぎない
冷蔵庫を主力で回す発想は置かない

ソーラーパネルだけで冷蔵庫を回し続ける、という発想は、
現実的にはかなり条件が限られる。
天候や設置環境に左右されやすく、
冷却装備との相性は決して良いとは言えない。
「ゼロにしない」ための補助として考える

それでもソーラーには意味がある。
それは、電源をゼロにしないための補助としてだ。
バッテリーの減りを少し遅らせる。
冷蔵庫を止める時間を短くする。
主役ではないが、
電源全体の余裕を広げる役割は確実にある。
電源設計の中でのポータブル冷蔵庫まとめ

冷蔵庫が苦しくなる構成
- 電源が一発勝負になっている
- 回復手段が用意されていない
- 優先順位が曖昧なまま組まれている
冷蔵庫が効いてくる構成
- 電源を回復できる前提がある
- エアコンとの役割分担ができている
- 車・水・電源と一体で考えられている
ポータブル冷蔵庫は、
万能装備ではない。
でも、
電源設計の中で正しい位置に置けたとき、
夏の防災をかなり楽にしてくれる存在になる。
素人だけど、検証して最適は選ぶ。
