防災で“床で寝ない”という判断|車中泊とマットが先に効く理由

防災というと、まず「食料・水・電気」を思い浮かべる人が多い。

もちろんそれは重要だ。ただ、実際にしんどくなり始めるのは、もっと手前のところだった。

眠れない。体が痛い。疲れが抜けない。そういう小さな違和感が積み重なると、次の日の判断が鈍っていく。

だから今回は、防災全体の話を広げない。

「床で寝る/寝ない」という一点に絞って、どう考えると判断がラクになるかを整理する。

ここでは結論を急がず、なぜこの判断が効いてくるのかを、順番に分解していく。

目次

災害時、人はなぜ床で寝てしまうのか

よくある前提

災害時になると、多くの人が自然と同じ考えに寄っていく。

  • とりあえず横になれればいい
  • 布団や毛布があれば何とかなる
  • 数日くらいなら我慢できると思ってしまう

これは判断ミスというより、非常時の情報不足と切迫感が生む、ごく普通の思考だと思う。

「寝る環境を整える」よりも、「今をやり過ごす」ことが優先されやすい。

実際には起きやすい状況

床で寝る判断が選ばれやすいのは、次のような場面だ。

  • 避難所でスペースが限られているとき
  • 自宅避難中で、停電や断水が続いているとき
  • 車が使えない前提で考えが止まっているとき

特に多いのが、「車は使えないもの」と無意識に決めてしまうことだ。

その結果、床で寝る以外の選択肢が最初から外れてしまう。

ここで大事なのは、誰かを責めることではない。

なぜ床で寝る判断が自然に選ばれてしまうのか。
その構造を理解することが、次の判断につながっていく。

床で寝ると起きやすいこと

ここで書くのは、医学的な評価ではない。
あくまで、災害時やそれに近い状況で床に近い環境で寝たときに感じやすい変化についてだ。

短時間では大きな問題に見えなくても、何日か続くと「確実に違いが出る」と感じる場面は多い。

体に出やすい変化

まず影響を感じやすいのは、体の接地面だ。

  • 腰・背中・肩に違和感が残る
  • 寝返りが打ちづらく、同じ姿勢が続く
  • 眠ってはいるが、深く休めていない感覚が残る

これは「痛み」というより、じわじわ溜まっていく疲労に近い。

一晩では流せても、数日続くと回復が追いつかなくなる。

判断力への影響

体の疲れは、思考にも影響する。

  • 疲労が抜けない状態が続く
  • 集中力が落ち、判断に時間がかかる
  • 細かく考えるのが面倒に感じるようになる

防災で本当に厄介なのは、動けなくなることより、考え続けられなくなることだ。

何を優先するか、今どう動くかを判断できなくなると、選択肢は一気に狭まる。

だからここでは、防災を
「生存できるか」ではなく、「判断を続けられるか」
という視点で見直している。

車中泊という選択肢が成立する条件

防災の文脈で車中泊というと、万能な解決策のように語られることがある。
ただし実際には、成立する条件がそろったときに限って有効な選択肢だ。

ここでは、車中泊が現実的に機能する条件と、そうでないケースを分けて整理しておく。

車が使える前提の強さ

車中泊が成立する最大の理由は、車そのものが一つのシェルターになる点にある。

  • 屋根と壁があり、雨風を防げる
  • 床から距離を取って寝られる
  • 屋外に比べて気温・天候の影響を受けにくい

これは「快適だから」という話ではなく、
体力と判断力を消耗しにくい環境を作れるという意味での強さだ。

マットや寝袋を組み合わせることで、床で寝る状況とは明確に別の条件を作れる。

すべての災害で使えるわけではない

一方で、車中泊はどんな状況でも成立するわけではない。

  • 車両自体が損壊している場合
  • 渋滞や通行止めで動けない場合
  • 平坦で安全に停車できる場所が確保できない場合

こうした条件では、車中泊は選択肢から外れる。

だからこそ重要なのは、
「車中泊が使えるかどうかを、その場で判断できる視点」を持っておくことだ。

万能だと信じ込まない。
使えるフェイズだけ、冷静に使う。

その前提に立つことで、車中泊は防災において非常に現実的なカードになる。

電源回復装置としても最適

また、車は災害時の電源回復装置として見ても、かなり優秀な存在だと感じている。

非常用バッテリー類(ポータブル電源等)に走行充電ができること、移動そのものが回復につながること、 さらに装備を整えることで、電源・睡眠・物資の拠点として一気に役割が広がる。

いざという時のベース基地としての価値は高く、 僕自身はこの点をかなり重視して電源まわりを考えている。

この考え方や具体的な運用については、別の記事で詳しく整理している。

「床で寝ない」を成立させる最小構成

「床で寝ない」という判断は、気合や根性では成立しない。
成立させるのは、装備の順番だ。

ここでは、僕の経験とキャンプ・車中泊の実感も踏まえて、
“最低限これだけは外さない”という構成を整理しておく。

最優先はマット

最初に整えるべきは寝袋ではなく、マットだ。

  • 体を持ち上げる:床の硬さや段差から距離を取れる
  • 冷気と硬さを遮断する:下から奪われる体温と不快感を止められる
  • 寝袋の性能を成立させる:下側の中綿は潰れるので、マットがないと保温が崩れる

ここが抜けると、寝袋を良くしても評価がズレやすい。
(寝袋が悪いのではなく、下が原因で眠れないケースが多い。)

次に寝袋

マットで土台ができたら、次が寝袋。

  • 保温のため:体温を逃がさない
  • 体温を安定させるため:夜中に冷えて起きるリスクを減らす

ただし、寝袋は「最強」を目指すより、
使う環境(車・避難所・自宅)に対して足りるかで決めた方が失敗しにくい。

服装と小物は微調整

最後に効いてくるのが服装や小物。ここは“主役”ではなく調整役。

  • 着込みすぎない:暑くて汗をかくと、その後の冷えにつながりやすい
  • 脱げる余地を残す:温度が変わっても体温調整ができる

極端に厚着で押し切るより、
マット → 寝袋 → 服装、の順で整える方が、判断がシンプルになる。

キャンプでの経験が、防災判断を支えた

ここまで整理してきた内容は、
結果的に「防災だから特別だった」という話ではなかった。

キャンプと防災で状況は違う。
ただ、判断の構造そのものは、かなり近かったと感じている。

同じ構造だった部分

キャンプで積み重ねてきた経験は、
そのまま防災判断にも重なっていた。

  • 床から離れる
    直接床に寝ないだけで、体への負担や冷え方は大きく変わる。
  • 下と横を塞ぐ
    寒さや不快感は、上よりも下と横から影響してくる。
    ここを押さえると、無理な装備に頼らずに済む。
  • 快適さは贅沢ではなかった
    よく眠れること、体が回復することは、
    行動や判断を続けるための土台だった。

違った前提

もちろん、キャンプと防災は同じではない。

  • 時間制限がない
    キャンプでは、無理なら撤収や中断という選択が取れる。
  • 心理的な余裕がある
    危機感の強さや緊張感は、防災とは大きく異なる。

それでも、
「どうやって体を休ませるか」「どこで無理をしないか」
という判断の組み立て方は、同じだった。

キャンプを防災訓練と呼ぶつもりはない。
ただ、構造が同じだった。
その事実だけは、はっきりしている。

なぜ「マット」が最初に効くのか

床で寝ない選択を考えたとき、
一番先に効いてくる装備はマットだった。

理由はシンプルで、
条件に左右されにくく、判断を迷わせないからだ。

電源がなくても成立する

マットは、
電気・ガス・燃料といった外部要因に依存しない。

停電していても、
充電が切れていても、
敷けばその瞬間から効果が出る

防災では「使えるかどうか分からない装備」が意外と多い。
その中で、
マットは最も前提条件が少ない装備のひとつだ。

設営が早い

敷くだけ。
広げるだけ。

複雑な組み立てや、
場所を選ぶ作業がいらない。

疲れているとき、
判断力が落ちているときほど、
「何も考えなくていい装備」は強い

誰でも再現できる

特別な知識や経験がなくても、
効果がほぼ同じように出る。

個人差が出にくく、
「向いている・向いていない」で悩まなくて済む。

だからこそ、
マットは「最初に考える装備」になりやすい。

これは、
おすすめの話でも、売り込みの話でもない。

順番の話だ。

何から整えると、
判断が楽になるか。

その答えとして、
マットはかなり前に来る、というだけの話だ。

僕が使っているマットの個別レビュー

僕は5000円ほどのマットを車中泊用でも使っているが、十分機能しとても満足している。

寝心地も個人的にはとても良いと感じている。

詳しいレビューも別記事で書いているので、もしよければ一つの参考にしてみてほしい。

まとめ|防災で大事なのは“床から離れる判断”

防災の場面では、
「床で寝ること」が前提になりやすい。

だが、それは知らず知らずのうちに、
根性や我慢に頼る判断になりやすい。

  • 床で寝る=根性論になりやすい
  • 体に負担が残ると、判断力が落ちやすい
  • 判断が止まると、状況への対応も遅れる

車中泊は、
そのための一つの手段にすぎない。

使えるかどうかは条件次第だし、
万能な解決策でもない。

それでも重要なのは、
「床で寝ない」という視点を持てるかどうかだ。

何を選ぶかより、
どこで判断を分けるか。

素人だけど、検証して最適は選ぶ。

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この記事を書いた人

SUP釣り・海釣り・管釣り・キャンプを“素人視点で検証する”アウトドアブロガーです。
安全・快適・コスパをテーマに、実際に使ったギアだけをレビューしています。

SUPでの落水、磯の夜釣りの失敗、クーラーボックスや虫対策の検証など、一次体験ベースの情報を発信中。

素人だけど、検証して道具は選ぶ。

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